スクープ撮 菅官房長官が「沖縄タイムス」「琉球新報」と"懐柔密会"

G7で総理不在の夜 内閣の番頭が密かに動いた。「俺が話せば分かってくれる」
スクープ撮 菅官房長官が「沖縄タイムス」「琉球新報」と
菅氏サイドから念押しされていたのか、両紙の面々は会合終了後2時間以上経ってから店を出た
 安倍晋三首相(60)が、ドイツの景勝地エルマウでG7首脳とのサミットに臨んでいた、6月8日夜8時半。
 都内超一流ホテルのロビー階に、総理の留守をあずかる「内閣の番頭」菅義偉(すがよしひで)官房長官(66)の姿があった。
 SPを引き連れた菅氏は、そのままホテル内のバーへと姿を消す。このバーには二つの個室があり、その手前にもドアがあるため、菅氏がどちらの個室に入ったのか、会合相手が誰なのかは、外から窺えない構造になっている。
 菅氏がそこまで気を遣って面会した相手とは――。
「沖縄の地元紙、沖縄タイムスと琉球新報の報道部長ら、幹部と会合を持ったと聞いています。両紙は、基地問題で『移設反対』のスタンスを貫き、政権の姿勢を批判している。いわば、沖縄の世論の代弁者です。沖縄の翁長雄志(おながたけし)知事(64)が5月末から訪米、共和党のマケイン上院議員や国務省幹部らと面会して移設反対を訴え、5日に帰国したばかりという微妙なタイミングでした」(官邸スタッフ)
 2紙には、この前の週に菅長官サイドから「地元紙との懇親をはかりたい」と打診があったという。場所等は、官邸側で準備した。
 本誌が目撃したところでは、会合の30分ほど前に、政策秘書の黄瀬(きのせ)周作氏、官房長官秘書官の林幸宏氏がすでにバーに到着。個室内で、沖縄タイムス、琉球新報の幹部を待ち受けていた。
 両紙の面々は8時15分ころに個室入り、菅氏は8時25分ころに到着した。
「両紙に対しては、『この会合は完全オフレコ』と事前に伝えていました。とはいえ、菅氏のほうから報道内容について露骨に注文をつけるようなことはするはずがありません。
 沖縄に関する思い出話を中心に語ったようですね。林秘書官は、経企庁出身で、沖縄へのUSJ誘致に道筋をつけた人物。USJについても話題に上ったようです。
 菅長官からは、『自民党はこれまで、米軍基地移転問題に取り組んできたが、なかなか進展しなかった。だが、安倍政権は必ずやります。考え直すことはあり得ない。総理は必ず普天間を移転させる』と伝えた。
 菅氏は以前、『翁長知事も元は自民党で辺野古移転推進派だった。なぜ地元紙は書かないのかな』と言っていたから、この日もそういう話があったのでしょう。いわば、『抵抗』をつづける地元2紙に腹をくくらせるという意味があったと思います」(前出・官邸スタッフ)
 個室には、何度かビールのつがれたグラスが運ばれていた。
 会合は2時間以上に及び、10時半過ぎに終了。出席者の一人がバーの入り口で深々とお辞儀をしながら、
「本日はありがとうございました」
 と繰り返し、菅長官を見送った。菅氏も上機嫌で手を挙げて挨拶し、ホテルをあとにした。
 沖縄タイムスはこの翌日の9日にも、基地移転を批判的に捉える記事を掲載している。琉球新報も社説で、『国は辺野古移設諦めよ』などと主張していたが、この日の会合をきっかけに、「社論」が変化する可能性はあるのか。
「菅長官から直接話をうかがい、考えを聞く機会と捉え、取材方法の一環として参加しました。菅長官は基地移設計画を進める従来の政府方針を説明しただけで、理解を求める発言はなかったと記憶しております。会合によって、沖縄タイムスとしての立場に変更はありません」(沖縄タイムス社東京支社)
「日常の取材活動、取材源についてのコメントは差し控えます。辺野古新基地問題についての本紙の報道姿勢に変更はありません」(琉球新報社東京報道部)
 菅長官は関係者に、「基地問題は、いまが(反対運動の)ピークでしょう」という見通しを口にしている。沖縄世論の切り崩しは、まずは地元紙から。話せば分かる――この日の"懐柔"会合は、菅長官の周到な布石に見える。
スクープ撮 菅官房長官が「沖縄タイムス」「琉球新報」と
2時間以上の会合終了後、菅氏に深々とお辞儀。菅氏は上機嫌で、SPに付き添われてバーをあとにした
PHOTO:結束武郎
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