クックパッド 社員が怒った!200人の決起署名

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佐野氏は子どもの頃に父親の仕事の都合でアメリカやシンガポールで生活。現在もアメリカを拠点に活動している
〈佐野陽光(あきみつ)氏の執行役退任に同意される方は、その旨ご返信ください〉
 3月28日、料理レシピサイト「クックパッド」を運営するクックパッド株式会社の社員、契約社員約300人のもとに、社内一斉メールが届いた。
 送り主は、幹部社員の一人。創業者であり自社の大株主でもある役員の退陣を求める前代未聞のメールだが、これにはなんと人事部門を含む複数の幹部が賛同しているという。メールに賛同の返信をした社員は200人にも及んだ。
「佐野さんは理想家であって、数字を追う経営はできない。いまも『料理は世界を変えるから僕について来てほしい』ということしか言わず、具体案がまったくない」(同社幹部社員)
 有料会員数180万人を誇る同社は昨秋から、佐野陽光氏(42)と前社長の穐田誉輝(あきたよしてる)氏(46)との間で、経営の主導権を巡って対立が続いていた。
 佐野氏は、慶応大卒業後わずか半年の24歳で、クックパッドの前身企業を設立。しかし、業績はなかなか好転しなかった。そこで「スカウト」したのが元カカクコム社長の穐田氏。社長就任からわずか3年で売上高147億円(’15年12月期)、営業利益65億円(同)と業績を急伸させた。
 この間、佐野氏は海外での事業展開に取り組んでいたが、こちらは大赤字。株式の44%を握るオーナーでありながら、社内で風当たりが強くなっていた。
 その佐野氏が、昨年末から逆襲とばかりに「穐田氏追放」に動き出す。大株主の立場から、「自分以外の全取締役交代」を要求、今月対立が表面化した。
 3月24日の株主総会ではいったん和解をアピールしたものの、佐野氏は総会直後に穐田氏の社長退任と5人の執行役の解任を発表、外資系コンサル会社出身の新社長を迎えた。 穐田氏は代表権のない取締役兼執行役に「降格」になった。これに穐田氏を慕う社員らが反発、わずか4日後に冒頭のような「署名事件」が起きた。ドロ沼の抗争劇だ。
「役員だけではありません。先日は基幹事業の一つである会員事業担当の部長が外されました。佐野さんは独裁色を強め、暴走しています」(同社社員)
 大株主の佐野氏が要求すれば、役員の選任も経営方針変更も思うがままだが、肝心の社員が一斉退社してしまえば、会社は運営できなくなる。
 同社には、元『暮しの手帖』編集長で、エッセイストとしても著名な松浦弥太郎氏が昨年から入社しているが、松浦氏も佐野氏退陣に賛成しているという。
 権力はあるが、人望がないオーナー経営者・佐野氏。クックパッドではすでに、社員の退職が相次いでいる。
「みんなクックパッドという会社、サービスを愛しています。辞めたくて辞める人なんていないんです……」(前出・社員)
 天才起業家・佐野氏はどこまで自らの「理想」を追い続けるのか。
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前社長の穐田氏はウェディング事業や知育アプリ事業など多角化を図り、クックパッドを急成長させた
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株主総会後、混乱に対するお詫びが新社長の名前でHP上に公開された
PHOTO:読売新聞/アフロ(穐田氏)
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