新シリーズ 有名人たちのもう一つの顔「私、マニアです」第1回 元大洋ホエールズの盗塁王 屋鋪要

撮り鉄
「SL専門、
写真は2万枚です!」
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「これまで撮った蒸気機関車は600両以上になります。枚数は2万枚を超えますよ」
 俊足をいかし大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)で高木豊や加藤博一とともにスーパーカートリオとして活躍した屋鋪要(やしきかなめ)(56)の趣味は、蒸気機関車の撮影だ。SLに魅了されたのは小学校5年、10歳のときだった。
「友だちから蒸気機関車の写真集を見せられて、迫力ある姿に感動したんです。オヤジはフツウのサラリーマンでしたが、大のカメラ好きだったので、住んでいた兵庫県から北海道まで撮影旅行につれていってもらってね。フィルムの入れ方やシャッタースピードなど、いろいろと教わりました」
 甲子園出場4回の三田(さんだ)学園高(兵庫県)に入学してからは野球漬けの日々が続き、SL撮影は一時中断する。プロでは大洋、横浜で16年、巨人で2年活躍した。撮影を再開したのは、巨人の外野守備・走塁コーチ退任後の46歳になってからだ。
「’06年春に中学生だった息子と一緒に、東京・神田の交通博物館に行ったんです。そこで展示されていたC57形の蒸気機関車を見たら、魂をゆさぶられてしまった……。C57はスマートなロングボディから、『貴婦人』と呼ばれる美しい機関車です。小学生のころ、オヤジと行った北海道で撮ったのもC57でした。それからです。現存するSLを、できるだけ撮影しようと決めたのは」
 屋鋪は全国をまわり、子どもたちに野球を教えている。そのたびに、保存されているSLを撮影した。
「SLの保存場所は野球教室の会場から離れていることが多いので、土地カンのないなかレンタカーで右往左往。1日に500㎞以上移動したこともあります」
 ’13年6月には沖縄本島から東に約400㎞離れた南大東島で、サトウキビ運搬用に作られ運行していた大東糖業2号機を撮影。7年2ヵ月かけて、国内に現存する保存蒸気機関車601両すべての撮影に成功した。鉄道写真家として名をはせ専門誌や新聞で連載を持ち、『目指せ打率10割!屋鋪要の保存蒸機完全制覇』という写真集まで出版している。
「おそらく全車両を撮影したのは、ボクだけでしょう。画像の入ったCD-ROMは200枚以上あります。最近はジオラマ制作もやっているんです。台湾では日本のSLがまだ走っているそうなので、時間ができたら海外取材に行きたいですね」
 屋鋪は年に1度、息子と一緒に撮影旅行に出かけ蒸気機関車の魅力を伝えている。
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ゴールデングラブ賞5度受賞。左は元巨人のショート岡崎郁(かおる)
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屋鋪が作った、JR熊本県八代(やつしろ)から鹿児島県霧島を走る肥薩線矢嶽駅(ひさつせんやたけえき)のジオラマ
PROFILE
やしき・かなめ ’59年、大阪府生まれ。’77年にドラフト6位で大洋入り。’80年にレギュラーに定着すると、’86年から3年連続で盗塁王を獲得。守備範囲の広さから「忍者ヤシキ」とあだ名された。プロ通算18年で打率2割6分9厘、58本塁打、327盗塁
PHOTO:小松寛之
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