崩壊寸前!滋賀・大津「放置された高さ20mの崖」

梅雨時に土砂崩れが起きたら、
崖下の住宅地はどうなる!
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住宅街に迫る茶臼山。山中には天智天皇の肉親の墓とされる、国指定史跡、茶臼山古墳がある。市は業者が動かなければ、土のうを積むなどの応急処置を検討しているという
 滋賀県大津市の茶臼山(ちゃうすやま)近くには、異様な光景が広がっている。傾斜60度、高さ20mのなんの舗装もされていない断崖の直下に、住宅街が広がっているのだ。近隣住民が不安をつのらせる。
「雨が降ると浸食がヒドいんですわ。土壁が削られて泥水が道路に流れ出る。梅雨の時期になったら、土砂崩れで家がツブされるんちゃうかと不安でたまらんのです」
 なぜ住民を崖下に住まわせるような、危険な状態が続いているのか。話は2年前にさかのぼる。標高約160mの茶臼山の東側斜面を階段状に7000㎡ほど削って、住宅9軒を建設する計画が持ち上がったのだ。大津市の認可を得た開発業者は、さっそく工事に着手。宅地造成等規制法で住宅を安全に建てるには、傾斜を30度以下にしなければならないが、山肌をザックリ削っただけで作業は昨秋、突然中断してしまった。
「刑事告訴もありうる」
「業者が資金難とかで、工事を進められんようになってしもた。結局、現在にいたるまで半年以上放置されたままですわ。雨による泥水は住宅街を流れて、近くの河川まで汚染しとる。私ら住民からの通報を受けた市は、泥水を排水溝に流すと言うて側溝に太いパイプをつけましたけど、あまり効果はありませんね」(別の住民)
 住民からは「どうにかしてくれ」という要望が相次ぎ、大津市はしびれを切らそうとしている。
「再三指導してきたが、こんな状況なので今後も厳重に監視していく。業者は『資金がない』なんて言うてる場合ではない。4月末までに是正計画を出すようにうながしています。しっかりした防災対策をしなかったら、刑事告訴もありうる。厳正に対処します」(都市計画部開発調整課)
 一方、開発を請け負った近湖(おおみ)商事の言い分はこうだ。
「現場の様子を知って驚いてます。(工事を発注した)施工業者と、うまく意思疎通ができていませんでした。悪意はありません。ちゃんと是正して住民の方々が安心できるようにしたい。資金についても銀行に追加融資を頼んでいるので、4月中には安全対策をとりたいです」(広報担当者)
 だが、土砂崩れの不安にさいなまれる住民たちの怒りはおさまらない。
「開発業者も悪いけど、こんな危険な場所に工事の認可を出した市も悪い。このままでは、崩壊も時間の問題。業者任せやのうて、税金を投入することになっても市が作業を代行するしかないでしょう」
 大津は早ければ5月下旬に梅雨入りする。
PHOTO:川柳まさ裕
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