中国 空が紫色に! 猛毒の化学物質クロロベンゼンで皮膚炎続出

地下水で基準の9万倍という異常事態
中国 空が紫色に! 猛毒の化学物質クロロベンゼンで皮膚炎続出 画像1
紫色のモヤがかかった江蘇省の街並み。中国では国土の19%で基準値を超える汚染が確認されている
 際限なく続く強烈な吐き気。腕の皮膚は赤くただれ、ヒドい目まいで立ち上がることもできない――。
 中国東部の江蘇(チャンスー)省常州(チャンヂョウ)市の中高一貫校、常州外国語学校に通う中学1年生のA君は、昨年9月から原因不明の変調に苦しんでいる。皮膚炎を起こし吐き気を訴える生徒はA君だけではない。常州市第一人民医院の診断を受けた同校の生徒641人のうち500人近くに、白血球の減少などの異常がみられたのだ。A君の母親が憤る。
「息子の体がおかしくなったのは昨秋、校舎を移転してからです。新校舎の100mほど北には、6年ほど前まで3つの巨大な化学工場があった。おそらく工場跡地から化学物質がタレ流され、生徒たちの健康を害しているんだと思います。市には校舎の再移転を求めましたが拒否されました」
市の結論は「問題ない」
 業を煮やした親たちは今年に入り校門前などで抗議活動をくり返し、武装警察が出動する騒ぎとなった。この騒動に常州市も重い腰をあげ、3月から校内の土壌や水質を検査。「問題はなかった。生徒1人のリンパに異常が見られたが、その他は軽い症状」と結論づけた。だが親たちは抗議を続け、ついに国の環境保護省と江蘇省が4月17日に合同の調査チームを立ち上げる事態となったのだ。
「工場では農薬を製造していましたが、元従業員の証言からクロロベンゼンという殺虫剤の原料になる猛毒物質を使っていたことがわかっています。世界の多くの国で危険物に指定され、発がん作用があり、使用が禁じられている物質です。当局とは別に専門家が調査すると、工場跡地の地下水からは基準の9万4800倍、土壌からは7万8900倍のクロロベンゼンが検出されました。元従業員の話によれば、適切に処理されず、川に流したり、普通ゴミと一緒に焼却していたそうです。工場跡地からはクロロベンゼンだけでなく、さまざまな猛毒物質が周辺に拡散していると思われます」(地元紙記者)
 常州市では皮膚炎患者の続出以外にも、異常が起きている。大気が不気味な紫色に変色し、視界をさえぎっているのだ。記者が続ける。
「街には薬品のような異臭がたちこめ、外を数分歩いただけで目やノドにピリピリとした痛みを感じます。マスクなしでは、とても外出できません。常州市では数年前から、白血病の患者が急増している。市内の病院のベッドは常に空きがありません。川も真っ赤に変色し、魚の死骸が大量に浮かんでいます。汚染された危険性が高いので水道水を飲む人はおらず、スーパーが輸入モノの清涼飲料水を入荷するとスグに売り切れてしまう。恐くて地元の食材で料理を作る人もいません」
 中国当局は常州市を「異常な環境被害地域」と認定した。
中国 空が紫色に! 猛毒の化学物質クロロベンゼンで皮膚炎続出 画像2
赤くただれた常州外国語学校の生徒の腕。同校は閉鎖され敷地内をすべて洗浄中だ
PHOTO:Imaginechina/アフロ
あなたにオススメ

FRIDAYダイナマイト

5月2日発売
fridayダイナマイト

FRIDAY写真集

電子写真集