廃線の危機 がんばれ南阿蘇鉄道!

トロッコ列車が人気のローカル線…
熊本地震で被災し、復旧のメド立たず
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第一白川橋梁を走るトロッコ列車(’07年8月撮影)。現在はアーチに歪みが生じていると見られている。昭和2年の建設当時、日本一の高さを誇った(現在は静岡の大井川鐵道「関の沢橋梁」に次ぐ2番目)
 雄大な阿蘇山(熊本)をバックにカルデラの大平原を走る南阿蘇鉄道。南阿蘇村の立野駅(JR豊肥(ほうひ)本線接続)から終点・高森駅までを結ぶ、全長わずか17.7km、全10駅の路線だ。冬期以外の週末に走るトロッコ列車は、可愛らしい機関車を前後に連結し、車体は窓がなく開放的で気持ちがいい。
 そんな人気路線が、熊本地震の影響で全線ストップしている。
 南阿蘇鉄道総務担当によると、トンネル内に亀裂が入り、一部の駅舎がダメージを受け、線路上に大量の土砂が流入しているという。橋梁も歪んでいる可能性があり、被害状況全体を把握することすらまだずいぶん先の話になりそうで、復旧のメドなど一切立っていないとのことだ。
 この路線は、国鉄が不採算部門として切り捨てたが、’86年から第三セクター方式の運営に切り替え、地域の足としてなんとか生き長らえていた。全国の鉄道ファンからは、廃線を危ぶむ声があがっている。’05年に台風被害を受けた高千穂鉄道(宮崎)、’10年に土砂崩れ、’11年に東日本大震災に見舞われたJR岩泉線(岩手)など、天災によって廃線を余儀なくされた前例があるからだ。
 在(あ)りし日のトロッコ列車は、高さ64.5mの第一白川橋梁(上写真)、駅舎内に温泉が併設されている「阿蘇下田城ふれあい温泉駅」、日本一長い名の駅「南阿蘇水の生まれる里 白水高原(はくすいこうげん)駅」を抜け、車掌の軽快なアナウンスをBGMに、ゆっくりと進んでいった。周辺には、阿蘇山の伏流水が湧く水源、風情ある秘湯もある。
 GWのころは新緑があふれ、年間を通して南阿蘇が最も美しくなる季節のひとつ。そのなかを駆けるあの愛らしいトロッコ列車を、もう一度見たい。
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屋根瓦が落ちるなど、被害の大きかった「阿蘇下田城ふれあい温泉駅」
PHOTO:レイルマンフォトオフィス 豊嶋孝仁
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