開発費に400億円!国産初のステルス機 X-2の「実力」

足かけ7年、全長14mの"日の丸戦闘機"が名古屋の空を舞った
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名古屋空港から離陸するXー2。初飛行をこの目で見ようと、空港の展望デッキは多くの見物客であふれた
 日の丸をイメージした、白色の機体に赤の垂直尾翼。4月22日、愛知県営名古屋空港に国産初のステルス実証機「Xー2」が姿を現した。Xー2はタキシング(自力での地上移動)しながら滑走路に進入。「キーン」という音が鳴り、10秒ほどで離陸すると、アフターバーナー(エンジンの噴気ガスにさらに燃料を吹きつけて加速させる装置)で空気を切り裂く音があたりに響き渡った。
 25分後、無事に航空自衛隊の岐阜基地に着陸。見事、初飛行に成功したのだ。有人ステルス機の飛行成功は、アメリカなどに次いで4ヵ国目である。
 Xー2は全長約14m、幅約9m。三菱重工が設計、製造を担当し、他にも実に220社が参加。開発費約400億円の巨大プロジェクトである。軍事ジャーナリストの菊池雅之氏が解説する。
「ステルス性能とは、敵機が照射した電波がなるべく返っていかないように、機体の反射率を抑えたり、電波を吸収する機能のこと。Xー2は国内のメーカーが開発した電波反射材でキャノピー(コクピットの上の天蓋(てんがい))まで覆われる予定です。他にも左右両エンジンの噴射口に備えられた推力偏向パドルによって、高い運動性能を実現している。ただ、Xー2の『X』とは試作であることを表す文字。あくまでステルス性能などのデータを取ることが目的の実証機なのです」
 国産の戦闘機開発は、日本の防衛産業の悲願だ。’80年代に国産開発を目指した「Fー2」も結局、日米共同開発になった。’28〜’30年ごろにかけて退役を迎えるFー2の後継機開発のため、’09年度から開発に着手。足かけ7年かかって、Xー2の初飛行にこぎつけたのだ。今後、’18年度までステルス性能や飛行能力の実験を行う予定だという。軍事アナリストの黒井文太郎氏は、こう見通しを語る。
「現実的に考えて、このXー2から国産の新型ステルス機の開発、生産までのハードルはものすごく高いです。とくに日本はエンジン開発の技術が周回遅れ状態。純国産ではなく、最終的には国際共同開発を目指すのではないでしょうか。国際共同開発は世界的な流れであり、参加しないと、新型戦闘機完成の際に日本だけ配備が後回しにされることも考えられる。もちろん、自前の技術のレベルアップは必要なのですが、Xー2の成功=純国産機ではありません」
"日の丸戦闘機"の道のりは険しそうだ。
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国産ステルス機は、費用面でのハードルも高い。実際に製造すると8000億円規模の予算が必要という試算も
PHOTO:蓮尾真司
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