野球界が直面している いまそこにある危機

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 ’14年4月からスタートしたこの連載も、100回目となる今回が最終回です。野球の魅力や最高峰の技術、球界が抱える問題などについて僕なりの考えを伝えてきましたが、最後はどうしても警鐘を鳴らしておきたい球界の未来について書きます。
 少子化の影響もあって野球人口が減少していることは指摘され続けていますが、危機感を抱いているファンの方はけっして多くはないのではないでしょうか。このままでは10年後、20年後にはいまの半分以下になっていてもおかしくありません。中学校の野球部員数は’09年の約30万人から、’15年には約20万人に減っています。硬式のクラブチームに入る選手が増えているわけでもないですし、小学生も含めて野球を楽しむ子どもは大幅に少なくなっているのです。いろいろな立場の人が、それぞれの形で30年後、50年後を見据えた構想をできるだけ早く作って動きださなければならない状況なのです。
 ’14年6月からU-12の代表監督をやらせていただいていることで、より一層、野球人口減少の問題意識が高まりました。野球は他のスポーツに比べて道具代がかかりますし、練習や試合を手伝う保護者も数多く必要です。そして、指導者のサポート体制の問題です。子どもたちのために自分の休日をあてているうえに、本を買って勉強をしたり、指導者講習会に参加したり、努力されている方がたくさんいます。彼らの頑張りこそ野球界の底辺縮小を防いできたのだと、感謝の気持ちしかありません。そういう方たちの力にならなければならないのが、なにより「侍ジャパンプロジェクト」だと感じています。もちろん子どもたちを世界に連れていって貴重な経験をさせるのも大事ですが、アンダー世代の事業でもっとも力を注ぐべきは、野球をやりたい子どもたちが障害なくプレーできる環境を守っている方々の力になること。そのための専門部署も必要でしょう。全国を回って指導者や連盟関係者の話や考えに耳を傾け、力を貸し、ともに土台を支えていかなくてはいけないのです。
 侍ジャパンプロジェクトは、世代ごとのつながりを強化するなど、さらに活動を広げていく使命がありますし、それらを実現できる取り組みだと信じています。僕もU―12監督としてだけでなく、いち野球人としても野球という文化が今後も発展していけるよう微力ながら尽力していきます。そして、それが野球を応援してくださる皆さんと一緒にできるのなら、これ以上、心強いことはありません。これからも野球を盛り上げていただけたらうれしいです。
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指導者スキルアップ講習会で走塁のポイントを指導。今後も全国でこうした活動を続けていく予定だ
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