太古の森が違法伐採され 2万㎡超の太陽光パネル群に!

愛知発
業者は「木が枯れたので」と言い訳し、県と市は責任のなすり合い
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太陽光パネルの開発現場。土地利用調整条例によると1000㎡以上の開発には自治体との事前協議が必要で、違反した場合は業者に中止命令や最大30万円の罰金を科すことができる
 愛知県瀬戸市に広がり、ニホンカモシカやツキノワグマなどの希少動物が生息する海上(かいしょ)の森。その森を歩いていると、忽然と銀色の太陽光パネル群があらわれる。海上の森野鳥の会副代表、森島達男氏が憤(いきどお)る。
「今年の2月、バードウォッチングをしているときに、たまたま太陽光パネルを見つけました。すぐに県に通報しましたが、なかなか動いてくれない。付近は県自然環境保全地域で、愛知万博のときにもボーリング機械を止めさせ命がけで守ってきた森です。勝手に木々を伐採し開発するなんて絶対に許せません」
 名古屋市にあるフジ建設が太陽光パネルの設置計画を瀬戸市に提出したのは、’13年1月のことだ。同市は「環境への悪影響が考えられ土地利用調整条例に反する」と計画を却下。にもかかわらずフジ建設は開発を強行し、2万㎡におよぶ森林を伐採したのだ。森のなかには縄文時代の遺跡や室町時代の窯(かま)の跡などがあり、近隣住民からは〝太古の森〟と親しまれてきた。違法な開発は、そうした文化財もキズつけている。
「窯の跡は破壊され、遺跡には盛り土がされていました。行政はすぐに開発を止めさせるべきです」(近隣住民)
 だが県は「市が許可したと思っていた」、市は「県が対応すべき案件と認識していた」と責任をなすりつけ合った。住民からの苦情を受け、県は4月18日にようやくフジ建設に是正計画書を出すよう指導した。県と市の回答だ。
「現在、業者を行政指導しています。これからは違法開発を早期に発見し、市などの自治体とも情報交換します」(愛知県森林保全課)
「事案の対応は広範囲の部署にわたるため、すぐに対応できずにいました。早急に問題点を明確化します。今後はこういうことのないよう、各部局と連携を密にしていくつもりです」(瀬戸市都市計画課)
 一方、開発を強行したフジ建設に反省の意思は感じられない。
「太陽光パネル設置業者に申請までお願いしていたので、詳細がわかりませんでした。伐採したのではなく、付近の木が枯れてきたので、太陽光発電をしたらという話になったんです。開発については法的な認識が不足していました」(総務担当者)
 開発は止まっても、失われた自然や文化財は二度ととり戻せない。
PHOTO:川柳まさ裕
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