家の中のセウォル号事件 韓国 人殺し加湿器殺菌剤に遺族ブチ切れ

ソウル大の御用学者にウソ論文を書かせて 真実をヒタ隠し
家の中のセウォル号事件 韓国 人殺し加湿器殺菌剤に遺族ブチ切れ 画像1
5月2日の会見でオキシーのアタル会長(右)がおざなりの謝罪をした直後、ブチ切れた遺族が殴りかかった
「あれは事故なんかじゃない。まぎれもない人災です。私の息子は加湿器殺菌剤のせいで死んだんです!」
 ’06年6月にわずか1歳11ヵ月で亡くなったヤン・ジュンホ君の母、プ・ウンジュンさん(44)は、いまも怒りにカラダを震わせながら語る。
 修学旅行中の高校生ら300名以上が海洋警察によって見殺しにされたセウォル号沈没事件から2年。またしても韓国で政府と大企業の怠慢、なれ合いによる悲劇が起こった。
 問題になっているのは、イギリスの家庭用品メーカー、レキット・ベンキーザーの韓国法人、オキシーが’01年〜’11年に販売した加湿器殺菌剤「オキシーサクサク」の成分を吸引したことによる死亡事故。前出のヤン君をはじめ、’06年から’11年までに相次いで95名が死亡しているのだ。ヤン君の母が続ける。
「私があの商品を買ったのは、ジュンホが1歳4ヵ月だった’05年10月のことです。当時、オキシーはテレビCMで『加湿器の水に殺菌剤を混ぜて使うと、部屋の空気がキレイになります』と、さかんに宣伝していました。息子も赤ん坊だったし、その謳い文句を信じてウチも朝から晩まで殺菌剤入りの加湿器を動かしていた。ジュンホが倒れたのは使い始めてから半年後でした。ある日、息子の唇がブクブクに腫れ上がって激しく咳きこむので、急いで病院に連れていったんです。息子の顔を見るなり、医師は『すぐに治療を受けてください』と血相を変えた。ジュンホはそのまま緊急入院し集中治療室に入りましたが、2ヵ月後にはまともに呼吸もできないまま、ゼェゼェと苦しみ死んでいきました」
 実はオキシーの殺菌剤には人体に入ると深刻な肺疾患を誘発させる有毒物質PHMGが含まれていた。にもかかわらず、同社は開発段階での十分な安全テストもなしに商品を販売していたのだ。
「オキシーは’11年に国の保健局から殺菌剤の生産中止を命じられるまで、10年間にわたって毒をまきちらしました。その間、次々に乳児や妊婦が死んでも知らぬ存ぜぬをキメこんだ。さらに自社の殺菌剤が疑われ始めてからは、ソウル大獣医学部の教授に2000万円以上のワイロを渡し、『オキシーの製品は安全だ』というウソの論文まで書かせています。政府の対応も後手後手で、騒動が本格化して批判が行政に飛び火するまで何の調査も行おうとしなかった。なにからなにまでドロ縄の、信じられないズサンさです」(韓国紙記者)
 結局、オキシーは今年1月に検察の捜査団が結成されるまで遺族や被害者の訴えを無視し謝罪もしなかった。この5月2日にソウル市内のホテルでようやく会見を開いた同社のアタル・サフダール会長は、被害者遺族にこう詰めよられた。
「オレたちはワラにもすがる思いで会社に面会を求めてきたんだ。なのにオマエたちは一度も会ってくれなかった。何度電話をしても『コチラからかけ直します』と言ってすぐに切っただろう。子どもが殺されたのに一銭の補償もしてくれない。ナメるのもいい加減にしろ!」
そしてノラリクラリとした態度に憤った遺族から、強烈な平手打ちを食らわされたのだ。
「オキシーと政府の体たらくには、遺族だけではなく国民全体が怒っています。韓国NGOの環境保健市民センターが出した推算では、同社の殺菌剤は毎年60万個が市場に出回り、30万人もの消費者が高濃度の毒にさらされた。肺疾患はどのタイミングで発症するかわからないため、これからどこまで患者数が膨れ上がるのか、想像もつきません」(前出・記者)
 遺族会によれば、この事件による死傷者数は1500人を軽く超えるという。殺菌剤のいたましい被害者はまだまだ増えそうだ。
家の中のセウォル号事件 韓国 人殺し加湿器殺菌剤に遺族ブチ切れ 画像2
4月25日にソウルで行われたデモでは遺族団の怒りの声が街に響いた
家の中のセウォル号事件 韓国 人殺し加湿器殺菌剤に遺族ブチ切れ 画像3
生後14ヵ月から続く闘病生活に疲れグッタリするイム・ソンジュン君(13)。いまでも酸素チューブが手放せない
PHOTO:Getty Images YONHAP NEWS/アフロ
あなたにオススメ

FRIDAY GOLD

10月18日発売
friday gold