熊本だけでは終わらない 次に危険なエリアはここだ

トップ研究者が緊急警告
「日本は1000年に一度の活動期に入った」
熊本だけでは終わらない 次に危険なエリアはここだ 画像1
熊本地震によって南阿蘇村の道路が崩落。生活インフラも壊滅した
 4月の熊本地震発生以降、全国で「余震」がとまらない(地図参照)。被災地の熊本・大分ではこの1ヵ月で1300回を超えた。いったい、いま日本列島の地下で何が起きているのか。
「1000年に一回の地震活動期に入っていると考えて間違いないと思います。それがいつからなのか、というのは正確には言えませんが、東日本大震災以降、日本列島は明らかにまったく違った状況です。今後地震は熊本のみならず全国で起きるでしょう」(東海大学海洋研究所地震予知・火山津波研究部門長・教授の長尾年恭氏)
 本誌は第一線の地震学者たちを緊急取材したが、「熊本地震は始まりでしかない」という見解で一致した。京都大学大学院教授の林愛明(あいめい)氏(地震地質学)はこう解説する。
「熊本地震では、4月14日に前震があり、16日にその北で本震が起きて、さらに大きな余震が大分県で起きた。震源が最初の断層帯から別の断層に飛び移っているわけです。ですから、これが中央構造線に連鎖し、四国で地震が起きる可能性は誰も否定できません
 前出の長尾氏も同意見だ。
「半年前後というスパンで考えれば、中国地方や四国、あるいは瀬戸内海で、熊本地震と同じM7クラスの地震が発生する可能性が極めて高いと私は思っています。熊本と大分の地下だけが動いて、その両側がズレないなんてことはありません。どこかのピースが動けば、どこかに隙間が開く……。その一つの可能性が四国から関西に繋がる中央構造線なのです。愛媛県沖の伊予灘も約500年前に慶長伊予地震がありましたが、私はまだそのくらいではエネルギーを十分に解放しきっていないと考えています」
M8が想定される活断層
 専門家は「西日本大震災」を危惧しているのだ。西日本には政府の地震本部が、熊本地震を引き起こした日奈久(ひなぐ)断層帯と同レベルで危険と評価している断層がいくつもある。
「注目しているのは、福岡県の警固(けご)断層、兵庫県の山崎断層です。山崎断層はこれまでほとんど動いていなかったが、今年の3月頃から、小さな地震をかなり頻繁に起こしています。警固断層も同様で最近になって動き始めている。さらに中央構造線の東に繋がる和歌山、三重でも熊本地震と同レベルの揺れが起きる恐れがあります。そのエリアでもいまM3程度の地震が起きているんです」(立命館大学環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所教授の高橋学氏)
 熊本県も地震の少ない地域と言われていたが、実は今年1月以降小規模な地震が目立つようになり、2月にはM3〜4の地震が起きていた。
 活断層の専門家、名古屋大学減災連携研究センター教授の鈴木康弘氏は、長野県から山梨県を走る「糸魚川―静岡構造線断層帯」への警戒を呼びかける。
「長野県北部の白馬村のあたりは’14年に地震が発生したため、大地震が起こる可能性は低いかもしれませんが、松本市などの中北部はこれを機にもう一度、備えを確認する必要があるでしょう」
 前出の林氏はこう話す。
「静岡県の富士川河口断層帯は留意すべき場所です。このあたりは地震発生の周期も短く、想定される揺れはM8クラスです。しかも普通の内陸活断層とは違い、プレートの境界にある活断層なんです。もし富士川河口断層帯が動いたら、富士山の噴火につながる可能性もあります」
 前出の長尾氏は東北地方に盲点があると指摘する。
「秋田県沖です。’83年の日本海中部地震や’93年の北海道南西沖地震の震源地につながる場所ですが、このエリアだけ抜け落ちて、地震が発生していない。特に断層に名前が付いているわけではないですが、『秋田県沖で起こる可能性が高い』ということは、専門家の間では同意見です。津波の被害も心配されます」
 もはや日本は、全域で危険水域に入っている――。
「大阪の真下には上町断層があり、東京には活断層というよりプレート境界やプレート内の沈み込みによる直下型地震のリスクがある」(元京都大学防災研究所地震予知研究センター長で同大名誉教授の川崎一朗氏)
 熊本クラスの地震が東京・大阪など大都市で起これば被害は破壊的だ。少なくとも自宅近くの断層くらいは、把握しておきたい。
熊本だけでは終わらない 次に危険なエリアはここだ 画像2
PHOTO:桐島 瞬
あなたにオススメ

FRIDAYダイナマイト

5月2日発売
fridayダイナマイト

FRIDAY写真集

電子写真集