右肩脱臼 五郎丸歩「世界レベルに足りないもの」

ヤマハ発動機退社、
フランス・トゥーロンへの移籍は
決定的だったが…
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後半15分、グラウンドに倒れ込み手当てを受ける。珍しく苦悶の表情を浮かべていた
 ほとんど見せ場がないまま、訪れた後半15分。防御網が突破され、ゴールライン間近に迫られた大ピンチで、レッズのフルバック・五郎丸歩(30)が奮起した。
 198㎝、118㎏のリアキ・モリの突進に猛ダッシュ。しかしタックルは一歩及ばず、直後、五郎丸は肩を押さえて悶絶した。
 5月21日のサンウルブズ戦は、今季の五郎丸を象徴する一戦となった。
「五郎丸自身も認めていますが、攻守におけるスピードが世界クラスのフルバックに比べて遅いんです。あのタックルも、反則を取られてもおかしくないプレー。もう少し早く追いついて正面からタックルできていれば、ケガのリスクも減らせたと思います」(現地で取材したスポーツライター・向風見也(むかいふみや)氏)
 試合後の会見には笑顔で登場したものの、診断結果は肩鎖関節脱臼で全治12週間。今季の出場は絶望的となった。
 結局、五郎丸のスーパーラグビー1年目の成績は、先発出場わずか3試合。得意のはずのキックも成功率64.7%にとどまった。翌日の地元ブリスベンのクーリエ・メール紙も、「スピード不足」「ワールドカップのスターはレッズにフィーバーを巻き起こしたが、プレーは物足りなかった」と論評した。
「日本では、周りが五郎丸のプレースタイルにあわせて空いたスペースをカバーしていたが、レッズではそれは望めない。まして英語によるコミュニケーション不足もあり、連携が嚙み合わないままだった」(向氏)
 やはり「本場」は甘くなかった。五郎丸は渡豪前、「日本にいたらもう失敗することがない。海外に出て失敗を経験したい」と語っていたが、現実は想像以上に厳しかった。3月31日付でヤマハ発動機も退社。今後はプロとして、フランスの強豪・トゥーロン移籍が噂されている。
「キックを多用するフランスのスタイルのほうが、五郎丸には合っている。あとは本当に限られたチャンスでいかに自分のキックをアピールするかです」(ラグビージャーナリスト・村上晃一氏)
 レギュラー争いはレッズ以上に厳しいが、五郎丸の心は折れていない。自ら望んだ「茨の道」を踏み越え、五郎丸はW杯の輝きを取り戻す日を見据えている。
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不調のキックはここ数試合ルーティンを微調整して、成功率は上がってきていたが……
PHOTO:井田新輔
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