安田純平さんがニセ代理人のせいでイスラム国へ売り渡される!

「これが最後のチャンスです」と異例の日本語メッセージ
安田純平さんがニセ代理人のせいでイスラム国へ売り渡される! 画像1
フェイスブックにアップされた安田氏の画像。信濃毎日新聞をへてフリーになり、イラクなどの戦地を取材
「今回の件は……報道で初めて知りました……。(画像は)純平に間違いないです。昨年5月に一晩泊まりに来たのですが、(シリアに)行くとは言っていなかったので……。連絡もとれず、何もできない。どういう結果になっても、ただ……ただ待っているしかありません……」
 シリアで行方不明になっているジャーナリストの安田純平氏(42)の母親、幸子さんは声をつまらせる。
 5月30日、安田氏とされる新しい画像がフェイスブックに投稿された。安田氏はオレンジ色の服を着て、両手で持った白い紙には「助けてください これが最後のチャンスです」と書かれている。憔悴(しょうすい)した表情で、髪の毛やヒゲも伸び放題。投稿者は人権活動家を名のるシリア人男性だ。男性は安田氏を拘束するアルカイダ系過激派組織ヌスラ戦線との仲介者から、画像の公開を依頼されたという。男性によると、仲介者はこう話している。
「6月28日で、ヌスラ戦線が安田さんの身柄を拘束して半年になる。身代金1000万㌦(約11億円)を要求したが、日本政府や関係者が交渉に動かないので、期限を切ることにした。身代金支払いに1ヵ月の猶予を与える。日本側が応じなければ、人質交換のために安田さんをイスラム国(IS)に引き渡すだろう」
 シリアで取材経験のある、報道カメラマンの横田徹氏が語る。
「イスラム系過激派組織が、拘束した日本人に日本語の書き込みを公開させるのは異例なことです。イスラム圏の人にとっては、何を書いているのかわかりませんから。それでもあえて日本語で書かせたのは、『身代金を払え』という日本政府への強いメッセージでしょう。安田さんが、ISの囚人が着るようなオレンジ色の服を身に着けていたのも気になる。『ISへの引き渡しを本気で考えているぞ』という、ヌスラ戦線の意思表示ととれるからです。日本政府の無反応ぶりに、シビレを切らしているのがわかります」
 安田氏が、きわめて危険な状態にあるのは間違いない。なぜ事態は深刻化してしまったのか。安田氏と親交が深い、ジャーナリストの常岡浩介氏が憤(いきどお)る。
「ご家族や日本政府の了承なく代理人になりすまし、ヌスラ戦線に接触している人間が何人かいるんです。シリア人ばかりでなく、ある日本人ジャーナリストもその一人です。彼らは仲介料や名誉欲のために動き、勝手に身代金の話までしている。ヌスラ戦線側は脅せば日本からカネがとれると判断し、強硬な態度になっているんです」
 そもそも昨年12月に安田氏が拘束された直後から、家族や日本政府の了承を得てヌスラ戦線と交渉していたのは常岡氏の知人たちだ。常岡氏が続ける。
「当初、ヌスラ戦線から身代金の要求などありませんでした。それがニセ代理人の出現で、ヌスラ戦線は彼らと話をするようになってしまった。安田さんがISに売り渡される危険性は非常に高い」
 母親の幸子さんは、「純平の無事を祈るだけです……」と涙声で話している。
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ヌスラ戦線の兵士たち。シリア北部に拠点を持ち、アサド政権ともISとも対立する。構成員は約1万人
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ISの機関誌『ダビク』は、他の武装集団から引き渡されたノルウェー人と中国人の画像を掲載。「売り出し中」の文字の下には「身代金を払う方はこちらへ」と電話番号が。2人はのちに処刑された
PHOTO:ZUMZ Press/アフロ
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