銃乱射死傷者102人「米国内無差別テロ」が始まった!

トランプはどう考える

入国を厳しくしてもムダ!
IS戦士は内側で育っている
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現場となったナイトクラブを検証するFBI職員たち。壁には生々しい弾痕、おそらく突入の際に特別機動隊(SWAT)が空けた大きな穴が残っている
 ダンスフロアに響き渡るのは大音量のラテン音楽と銃声、そして絶叫――。6月12日未明に起きた米フロリダ州オーランドのナイトクラブでの銃乱射事件による死者は49人、負傷者は53人にのぼる(15日現在)。犯人とされるオマル・マティーン容疑者(29)も警察との激しい銃撃戦の末、射殺された。同日、イスラム国(IS)は運営するニュースサイト上で犯行声明を発表した。
「容疑者はアフガン人の両親をもつ移民2世。世界最大の民間軍事会社『G4S』で警備員として働いており、業務中も銃を携帯する立場にありました。犯行に使われたアサルトライフルは、米軍の自動小銃M16を民間向けに改良した『AR15』。殺傷能力が高い銃ですが、米国では合法的に10万円ほどで容易く入手できます」(在米ジャーナリスト)
 容疑者は、周囲にテロ組織への関与をほのめかしたことから、’13年と’14年に連邦捜査局(FBI)による3度の取り調べを受けたが、問題ナシとして監視の対象から外れていた。なぜか。国際ジャーナリストの菅原出氏はこう見る。
「容疑者は、いわゆるホームグロウン(自国育ち)のローンウルフ(一匹狼)だと思われます。このタイプは、ISとの直接のネットワークを持っているわけではないため、実際に犯行に及ぶまで本人の危険度を当局が把握することができず、未然に防ぐことが極めて困難なのです」
 事実、今回容疑者にISから直接指示があった証拠は確認されていない。だが犯行中、彼は緊急通報用の「911」に電話し、IS指導者への忠誠を誓っている。
 思想的影響もみてとれる。ISは同性愛者をビルから突き落とすなどして処刑する映像を公開している。容疑者が今回、同性愛者が集まるクラブをターゲットに定めたのは、この同性愛敵視の考えを共有していたと考えられるのだ。
 また、前出の菅原氏はラマダン(断食月)が影響した可能性を指摘する。
「イスラム世界では6月上旬から7月上旬までラマダンに突入しています。この期間中はもっとも信仰心が高まる。ISはラマダンに先んじて、"聖戦"の準備をするよう世界各地、とりわけ欧米の〝戦士たち〟に呼びかけていた。マティーン容疑者はこれに呼応した疑いがあるのです」
 ISは’15年以降、米国主導の有志国連合に対して劣勢で、支配地域が縮小している。その焦りゆえに、"国外"でのテロ攻撃に力を入れているのだ。
「今後、欧米でのテロを促すようなメッセージはより強く打ち出されることが予想されます」(菅原氏)
 何より問題なのは、解決策がいっこうに見出せないことだ。11月の大統領選に出馬する野党・共和党の実業家ドナルド・トランプ氏は「イスラム教徒の一時入国禁止」の重要性を訴えている。しかし――。
「トランプの主張は、まったくもって現実的ではありません。そもそもテロリストの侵入を防ぐという発想だけでは、新時代のテロに対応できないというのは、今回の犯行でイヤというほど思い知らされたはずです。たとえば今回の容疑者は10代半ばのときに9.11同時多発テロを経験し、両親の故郷が米国に攻撃されています。そして、多感な時期に米国内の反イスラムの空気を感じて育ったのは、彼だけではない。トランプがイスラム教徒排除の動きをみせ、火に油を注げば、ドス黒い憎悪が、またいつ噴出してもおかしくない」(前出・在米ジャーナリスト)
 ちなみに米国の民間人が所有する銃は3億丁にのぼるとされる。オーランドの銃乱射事件は米国内無差別テロの始まりと言えるかもしれない。
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マティーン容疑者がSNSにアップしていた自撮り写真。現場から200km離れた場所に住んでいた
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今回の犯行で使用されたものと同型のアサルトライフル。写真は米アルコール・たばこ・火器及び爆発物取締局のツイッターより
PHOTO:AFLO
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