五郎丸も不参加 ラグビー日本代表「不人気の元凶」

W杯の感動からまだ9ヵ月なのに…
スコットランド戦、直前になってもチケット売れ残り
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選手たちは国内リーグ、スーパーラグビーなどで疲労を蓄積させている。五郎丸の代表復帰は秋以降の見込み
「世界のスポーツ史上最大の番狂わせ」と言われたラグビーW杯、南ア戦の劇的な勝利から9ヵ月。
 新生・日本代表は6月11日にカナダ遠征、18日、25日にはW杯で唯一敗れたスコットランドとの「再戦」を迎える。
 ところが、肝心のチケットの売り上げが思わしくないという。
「FBの五郎丸歩、W杯でキャプテンを務めたFLリーチ・マイケルら人気選手が出場しないのが痛い。18日の豊田スタジアム(愛知・豊田市)で行われる試合、25日の味の素スタジアム(東京・調布市)の試合、どちらもまだチケットは売れ残っています」(ラグビー協会関係者)
 W杯後の昨年11月、国内リーグ初戦でスタンドに空席が目立ったことに憤ったSH田中史朗(31)は涙ながらに、
「ラグビーが負けた日です。なんでまだラグビー協会は分からないのか」
 と訴えた。スコットランド戦も、その再現になってしまう可能性が高い。リーチらの欠場は、戦力面でも影響が大きい。
「カナダ戦は、準備期間が短いなかで、SOの田村優やCTBの立川理道(はるみち)らがよくチームを支えていましたが、ハードにコンタクトできるFWが不足していました。世界レベルのリーチや、HO堀江翔太らがいれば、結果は違ったでしょうね」(元ラグビー日本代表で日本協会リソースコーチ、野澤武史氏)
 カナダ戦はリーチ、五郎丸、堀江だけでなく、W杯で大活躍したアマナキ・レレイ・マフィらが不参加だった。とくにリーチ、五郎丸の二人は再三の要請にも頑として参加を拒んだという。
「体調が良くない、というのが不参加の理由でしたが、協会を含めた日本代表の強化体制に疑問もあったようです。
 協会の強化委員が参加を要請したがあっさり拒否されたため、ラグビー協会幹部が直々にリーチに電話したという。しかしそれも逆効果で、リーチは『そこまでするのか』とかえって協会の姿勢に不信感を募らせた」(スポーツ紙担当記者)
協会の「ドン」は森元首相
 ラグビー協会内では、元首相の森喜朗名誉会長(78)がいまも大きな影響力を誇り、協会は森人脈で占められている。現会長の岡村正・元東芝会長(77)は東大ラグビー部出身で、森氏と非常に親しいことで知られる。2019年W杯の組織委員会会長・御手洗冨士夫氏(80、キヤノン会長)も森氏と近い財界人だ。
 組織委員会の事務総長を務める嶋津昭氏(73)も森氏に一本釣りされた元キャリア官僚だが、公職(元総務事務次官)を離れて10年以上経ち、嶋津氏自身就任会見で「皆さま、嶋津って誰だ? と思われるかもしれません」と話したほどだ。
「森氏の影響力の源泉は"集金力"です。岡村氏を会長に据えたことで、東芝がスポンサーになった。東芝は不正会計事件の渦中で、普通ならあり得ない。御手洗氏のキヤノンも協会のサポートカンパニーになっています」(前出・協会関係者)
 さらに協会内で森氏の側近中の側近なのが、理事の河野一郎・筑波大名誉教授(69)だ。河野氏は東京医科歯科大ラグビー部出身で、協会強化推進本部長などを経て理事に就任した。森氏の推薦で日本スポーツ振興センター理事長も兼務していたが、新国立競技場案選定をめぐる大混乱の責任をとる形で昨年辞任している。
「河野氏は代表強化についてはリスクをとるのをできるだけ避けるタイプで、前監督のエディ・ジョーンズとことあるごとに対立した」(同前)
 エディ氏は、日本代表強化のため、中心メンバーがそのまま世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」に参加することを主張していたが、国内リーグを重視する森氏、河野氏と衝突。その結果、エディ氏はW杯後に退任した。森氏らは今年4月、同じく推進派の矢部達三副会長(72)も解任してしまった。エディ氏は、
「日本は次回W杯のホスト国なのに、勝ちたくないということがよくわかった」
 と強烈な皮肉を漏らしたという。
「協会の方針が一貫しないことで、もっとも負担を強いられるのは選手。常にケガのリスクを背負いながらプレーしているわけですから、ときに代表参加を辞退しても、自分の身は自分で守るしかない」(代表OB)
 せっかく盛り上がり始めたラグビー人気が、このままでは危うい。
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河野氏はラグビー協会内で「筑波大学閥」を形成し、強化部門を主導
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森氏は昨年の会長退任後も、理事会で意見を述べることがあるという
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11日のカナダ戦は、ランキング下位の格下相手に大苦戦。逆転負け寸前で、勝ちを拾った
PHOTO:等々力純生 共同通信社 時事通信社
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