東電が新潟で「原発安全キャンペーンCM」大量出稿中!

柏崎刈羽原発再稼働へ
泉田裕彦県知事は「罪深い」と痛烈批判!
東電が新潟で「原発安全キャンペーンCM」大量出稿中! 画像1
6月末に開かれた株主総会で、廣瀬直己社長は「再稼働に向けた対応を進めていく」と発言した
 原発建屋の内部に、ヘルメットを被った若い男性が立つ。明るいストリングスの音楽をBGMに、男性が訥々(とつとつ)と語り始める。
「普段は設備の保守点検をし、緊急時には復旧班で事故の拡大を防ぐための作業にあたります。私はこの地で生まれ育ち、発電所を守り続けたいと思っています。福島第一のような事故を二度と起こさない決意でひとつひとつの仕事や訓練に臨んでいきます」
 訓練の様子を映し、保守点検にあたる場面で、低い男声のナレーションが重なる。
「一人ひとりの決意、東京電力ホールディングス」
 そして、カメラは青空を背景に、新潟県・柏崎刈羽原発を映しだす――。
 いま新潟県で、原発のテレビCMが大量復活している。
 CMは全部で6種類あり、どれも訓練など安全対策への取り組みをアピールしている。昨年6月から県内の民放4局で放送が始まり、放送回数は合わせて月に約320本に上るという。
 過去の柏崎刈羽原発や福島第一原発での事故や不手際には一切触れず、ひたすら「安全性」をPRする。
「県内には福島県から約3000人の避難者がいますが、東電のCMを観て『自分たちは先行きが不安な暮らしをしているのに、本当に悔しいです』といった電話やメールを受けています」(新潟市議の中山均氏)
 経産省、資源エネルギー庁出身ながら原発再稼働に慎重なことで知られる泉田裕彦新潟県知事(53)は、4月6日、
「(東京電力は)事故当事者として、事故原因など、もっと伝えることがあるのではないか。原発再稼働のキャンペーンだとするともっと罪深い」
 と痛烈に批判した。
 テレビCMだけではない。3枚目写真のように新聞、雑誌などでも原発の「安全」を訴える広告が溢れている。広報誌「ニュースアトム」も無料で配布され、「日本はエネルギー資源の多くを輸入に頼っている」などと訴えている。
「一連の広告には三つの狙いがあります。一つは県民に再稼働を周知させるというもの。二つ目はメディアに広告を出稿することによって、クライアントとしての存在感を認知させるというもの。そして三つ目が原発関係で働く人々に対しての『原発はやめないぞ』というメッセージ。現場の人間のモチベーションが下がり続けていますから」(『原発プロパガンダ』などの著書がある作家の本間龍氏)
 これらの広報を行っているのは昨年4月に設立された「東京電力新潟本社」。メディア対応を担当していた旧総務部員を中心に200人余りが集められた。
「『柏崎刈羽原発再稼働』の最大の壁になっているのが、泉田知事です。女性を中心に支持を集め、今年10月の知事選でも4選が有力視されている。旧総務部メンバーは多方面から知事懐柔を図っている。もちろん知事を納得させる資料の作成も並行して行っています」(東電社員)
 その泉田知事に「罪深い」とまで言われ、反発を買うことが分かっていながら、なぜ原発CMを続けるのか。東京電力広報部は次のように回答した。
「費用の概算について、私契約に関わるので金額についてはお答えを差し控えさせていただきます。新潟県内の皆様のご懸念、心配にお答えするため、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策について広報していくことが責務だと考えております」
 7基ある原子炉のうち、1基が再稼働すれば、月100億円の収益改善が見込まれる柏崎刈羽原発。原子力規制委員会は6・7号機の審査終了が今秋以降にずれ込む見通しだ、と発表している。
 事故から5年半。東京電力は悲願の再稼働へ向け、なりふり構わず動き始めた。
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柏崎刈羽原発は現在、全7基が停止中。すべて稼働すれば、821.2万kWと世界最大規模の発電能力だ
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PHOTO:結束武郎(東電・廣瀬氏) 時事通信社(柏崎刈羽原発)
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