出光家と浜田卓二郎弁護士が合併に反対する理由

懐かしい人の名前が登場、麻記子夫人の紹介で創業家代理人に!
出光家と浜田卓二郎弁護士が合併に反対する理由 画像1
昨年11月、出光・月岡社長(右)と昭和・亀岡社長が合併を発表
「現経営陣に対し、突然、創業家が横車を押し始めたように報じられていますが、それは誤解です。昨年12月からずっと、我々は『慌てて昭和シェルと合併しても出光にとってプラスにはならない』と、株主としての見解を申し上げてきた。しかし経営陣は、我々との話し合いを避けてきたんです」
 本誌の取材にそう語り始めたのは、出光創業家の代理人を務める元衆議院議員の浜田卓二郎氏(74)。妻・麻記子氏(74)との同時立候補などで、かつて世間を賑わせたあの人物である。
 経営合理化と競争力強化のため、出光興産と昭和シェル石油は、来年4月の合併に向けて準備を進めてきた。だが、6月28日に開かれた株主総会で、出光創業者の長男である出光昭介氏(88)が、浜田氏を通じてこれに反対の意向を表明。’06年の上場を機に経営から手を引いたとはいえ、創業家はいまだ同社の株33.92%を実質的に所有していると主張しており、合併に急ブレーキがかかった。
 合併に反対しているもっとも大きな理由を、浜田氏はこう説明する。
「そもそも出光と昭和シェルでは、社風がまったく違います。出光は労働組合を作らず、社員全員が一丸となって事にあたる『大家族主義』の会社。一方の昭和シェルは労働組合が非常に強い力を持っています。これだけ社風を異にする組織が慌てて合併すれば、当然、大混乱が生じてしまう。だからこそ我々は、『もっと慎重に考えるべきだ』と主張しているんです」
 実際、出光と昭和シェルは’14年末に経営統合に向け交渉を始めているが、昭和シェル側の労働組合から猛反発を受けた経緯がある。
出光家と浜田夫妻の「関係」
「反対している理由はそれだけではありません。出光は、初代の佐三さんがイギリスの支配下にあったイランに『日章丸』で乗り込み、日本まで原油を輸入したことで成長した会社です。いまでもイランとは深いつながりがある。しかし一方の昭和シェルは、サウジアラビアの国営会社『サウジアラムコ』が支配する会社。御存知の通り、イランとサウジアラビアは今年の1月から国交断絶状態にあります。異なる背景を持つ両社が、こんな中東情勢のなかで合併をするなんて、火中の栗を拾うようなものですよ」(浜田氏)
 浜田氏は東大法学部卒業後、大蔵省を経て’80年の衆院選で初当選し、’98年に参議院へ鞍替え。’03年には埼玉県知事選に立候補したが支持を得られず落選、翌年の参院選にも落選したことで、政治家を引退した。
 浜田氏は東大在学中に司法試験にも合格しており、’04年からは弁護士として活動している。妻の麻記子氏も東大卒。在学中に卓二郎氏と知り合い、卒業後すぐに結婚した。コンサルティング会社を営むなど活躍していたが、’90年、’93年、’03年に衆院選、’91年には都知事選に出馬して鈴木俊一氏と争い、いずれも落選。作家業などを経て、’08年10月にCS放送事業などを手がける「DHCシアター」の代表取締役社長に就任した。
「出光家とつながりを持つようになったのは、私の家内である浜田麻記子の紹介がきっかけでした。以来、長い長い付き合いをさせていただいています。顧問弁護士になったのは、5〜6年前かな。前の顧問の任期が終わったタイミングで、僕に話があったんです」
 現在の浜田夫妻の住まいは都内の一等地にある高級マンションで、運転手付きのベンツで出勤している。
 創業家の昭介氏と浜田夫妻が合併交渉の思わぬ「抵抗勢力」になった形だが、会社側は近く、昭介氏らに直接説明する機会を設けるという。浜田氏が語る。
「私は出光家の代理人であると同時に、創業家の資産管理会社『日章興産』の代表取締役でもあります。合併だけが解決策ではない。合理化努力をして、厳しい競争に勝てる体質にしていきたいと思っています」
出光家と浜田卓二郎弁護士が合併に反対する理由 画像2
’93年の衆院選に立候補した麻記子氏(右)。その美貌で注目を集めた
出光家と浜田卓二郎弁護士が合併に反対する理由 画像3
夫と同じ送迎車で外出する麻記子氏。往年のオーラは健在だった
出光家と浜田卓二郎弁護士が合併に反対する理由 画像4
自宅前で15分以上にわたって取材に応じた卓二郎氏
PHOTO:時事通信社 結束武郎(3,4枚目)
あなたにオススメ

FRIDAY GOLD

10月18日発売
friday gold