【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第4回 大麻大国ジャマイカ

【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第4回 大麻大国ジャマイカ 画像1
銃を片手に取材に応じた「鉄砲玉」。撮影を終えると覆面を取ってくれたが、その顔は意外にも幼かった
「初めて人を殺したのは15歳のときだった」
 顔をスカーフで隠した男は、自らの殺人体験を語り出した。ジャマイカの首都キングストンのスラム街を仕切るボスの紹介で会った「殺し屋」だ。彼は日常的に依頼を受けて殺人をするのではなく、ボスからの命令があったときに敵対勢力や警察を相手にする。抗争現場では「ソルジャー(兵隊)」と呼ばれているが、わかりやすく言うと「鉄砲玉」である。彼は10人以上を殺したというが、年齢はまだ20代前半。鉄砲玉の多くは若くして命を落とすという。
 ジャマイカのスラムは、世界でもっとも治安の悪いエリアの一つだ。実際、銃撃事件が毎日のように起きている。ただその地域を牛耳るボスに面通しさえすれば、客人扱いを受け、安全にスラムを歩くことが可能だ。私も客人としてスラムを取材した。
 歩いていると「ウィードあるぜ」「ガンジャどうだ?」「ここのマリファナは上物だぜ」(すべて大麻のこと)とスラムの住人がなれなれしく声をかけてくる。私が取材で来ていると伝えても、警戒されるどころか、むしろ熱心に話しかけてくる始末だ。さらに、スマホを持っている連中からは記念写真の撮影を持ちかけられるという歓迎ぶり。ボスの影響があるとはいえ、ジャマイカのスラム住人たちの気さくな一面を垣間見ることができた。
 気さくついでに「ワンパケいくら?」と聞くと、「必要な分だけ包むよ」との返答。パケとは袋のことで、小分けにされたマリファナを小売りするときの単位に使われる。1ドル分からでも応じてくれるそうだ。手渡されたパケ(写真下)は500ジャマイカドルだった。日本円で約400円程度。内容量からしてジョイント(紙タバコ状に巻いたもの)が5〜6本は巻けるだろう。先端に火をつけてタバコのように吸引している。街なかでも、見た目はタバコだが、実はマリファナを吸っているという人が実に多い。ジャマイカはマリファナ天国なのだ。
 ジャマイカでは、現在のところマリファナの個人使用については罰金刑のみで、実質的に野放し状態となっている。その一方でジャマイカの人々はなぜかタバコについては厳しい立場をとる。私がタバコに火をつけると、「ちょっと煙いぞ」と、ジャマイカ人にたしなめられることもしばしば。中にはマリファナを咥(くわ)えながら言ってくるヤツもいる。彼らの感覚では、タバコよりもマリファナのほうがよほど身体にいいという認識なのだ。
 ギャングの抗争が絶えず、マリファナが生活の一部となっている危険地帯。ただ、刹那的だが、幸せそうに過ごす人々の表情が印象的だった。
【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第4回 大麻大国ジャマイカ 画像2
500ジャマイカドル(約400円)分の大麻。1ドル単位で販売されている
【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第4回 大麻大国ジャマイカ 画像3
マリファナ売りの男性は、スマホ片手に記念写真を要求してきた
【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第4回 大麻大国ジャマイカ 画像4
旨そうにジョイントを咥え、プカァ〜。「お前もやれよ」と気さくにマリファナを勧めてくるスラムの住人
写真・文/丸山ゴンザレス(危険地帯ジャーナリスト)
丸山ゴンザレス 世界の危険エリアを取材するジャーナリスト。TBS系『クレイジージャーニー』に出演。近著に『アジア罰当たり旅行(改訂版)』(彩図社)がある
あなたにオススメ

FRIDAY GOLD

10月18日発売
friday gold