天皇の「生前退位」決断の全真相と5つの難題

NHKスクープの理由/月1回の「親子会議」の結論は?/秋篠宮家「人員不足」ほか
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岩手県宮古市にある津波防潮堤を視察される皇太子ご夫妻。最近、雅子妃の健康状態は安定しているという
「6月26日に会った際、私が『白内障の手術をするんです』とお伝えしたら、『それはお大事にしないといけないね』と言われました。陛下は足取りがふらつくこともなく、まっすぐに歩いてお元気そうでした。(報道には)非常に驚きましたね」(陛下の学習院時代の同級生で元共同通信記者の橋本明氏)
 天皇(82)、皇后(81)が葉山御用邸で静養中の7月13日。突如、「NHKニュース7」が「天皇陛下『生前退位』のご意向」を報じた。
 宮内記者会は大騒ぎとなり、夜には宮内庁ナンバー2の山本信一郎次長が「報道のような事実はない」と否定した。
 いまだ真相が見えてこない「生前退位」騒動。「天皇の決断」の背景にある5つの難題に迫った。
〈NHKスクープの理由〉
 宮内庁の公式発表ではなく、NHKによる一報となったのはなぜか。
「背景には『天皇は政治に関与しない』という憲法の規定がある。生前退位するには皇室典範など法改正が必要で、陛下が表立って生前退位に言及すると、法改正を促す政治関与と見なされる恐れがある。宮内庁関係者はいわば裏口から情報をリークし、世論の反応を探ったのではないか」(皇室に詳しいジャーナリスト)
〈月1回の「親子会議」の結論は?〉
 天皇は4年前から、皇太子(56)、秋篠宮(50)と3人で会合する機会を月に1回設けてきた。
「風岡典之宮内庁長官も加わり、象徴天皇のあり方について陛下が思いを話されることもあったそうです。皇太子さまと秋篠宮さまは、高齢の陛下の負担が重いことを心配していました。皇太子さまは’13年に『ご年齢を考えますとご負担の軽減は必要と思われます』と記者会見で話しています」(全国紙宮内庁担当記者)
 親子会議の会話は、雅子妃(52)にも影響を及ぼしている。
「雅子妃殿下の詠む歌が、以前のように愛子さまを慈しむ歌ではなく、被災地の復興を願うなど広く世を見渡したものに変わられました。次の皇后であるという自覚が強くなってきたのでしょう」(皇室ジャーナリストの渡辺みどり氏)
 雅子妃は今年に入ってから立て続けに公務に復帰しているが、意識にも変化があるようだ。
〈秋篠宮家の「人員不足」〉
 生前退位がうまくいったとしても問題は尽きない。将来の天皇位を引き継ぐ可能性が高い、秋篠宮家の職員数や予算に制限があるのだ。
「秋篠宮家をサポートする人員は17名(平成26年)。皇太子一家の要員である東宮職と比べて圧倒的に少ない。この人数では、次代の天皇に求められる公務や、催事をこなすのは心もとない。皇室典範改正の議論が行われる際には、こうした点についても検討されることになりそうです」(前出・全国紙記者)
〈解決しない後継ぎ問題〉
 またいまの皇室典範のままだと、女性皇族が結婚すると皇族を離れてしまうという問題もある。
「眞子さま、佳子さま、愛子さまは月日が経てば嫁がれます。悠仁さま一人にすべてを担っていただくことになります」(前出・渡辺氏)
 万が一、悠仁親王に男子が生まれなければ、皇統が途絶えかねない。天皇は、夜も眠れないほどそのことに悩んでいた、と元侍従長が明かしている。女性宮家創設などの議論も必要だろう。
〈天皇の悲願〉
「なんとしても在位中に韓国へ公式訪問したいという思いを持っています。上皇や法皇ではなく、天皇として訪問することで日韓親善の証になると考えておられるのではないでしょうか」(前出・橋本氏)
 皇統の維持、韓国訪問など「やり残した大仕事」に懸ける天皇の思いは深い。安倍政権は、重い課題を突きつけられた。
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静養先の葉山御用邸を出発される天皇、皇后両陛下。8月以降に陛下が声明が出されると報道されている
PHOTO:時事通信社 共同通信社
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