【短期集中連載】ヤバい、ヤバすぎる!世界の危険地帯に潜入ッ! 第5回 世界のスラム4景

香港 [屋上スラム]
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ビルの屋上に展開する天空のスラム。物置のようなバラックで家賃は月2万~3万円。観光客には見えない都市の死角にある
「夜になったら家族は外に出さないよ。ここらじゃ常識さ」
 フィリピンでもっとも危険と言われるトンド地区のスラムで出会った男はそう言った。
 スラムとは大都市の片隅で極貧の人々が暮らすエリア。世界中に存在しているが、共通して言えるのは、犯罪の温床となっている危険地帯だということ。他の地域に比べ、殺人、強盗、レイプなどの凶悪犯罪の発生率がズバ抜けて高い。
 私は世界中のスラムを取材しているが、世界最大級と言えるのが、ケニアのキベラスラムである(6~7枚目写真)。ケニアの首都ナイロビの南西部に位置し、東京ドーム50個分程度の土地に、100万人以上が暮らしている。あまりにも巨大なため複数のエリアに分断統治され、中には行政から任命された代表者もいるという。道路、上下水道の整備はまったく手つかずだが、行政の監視対象にはなっているようだ。
 こうした巨大スラムでは、内部での経済格差も生まれている。取材した家族は、「家賃が安いから」という理由で都市部から引っ越して来たという。父親は市の中心部で定職に就いているというので、あくまでも住居としてスラムを利用しているようだ。一方では、写真の男性のように、住人が棄てたゴミから金目のものを拾って収入を得る者もいる。スラム内では、ドブをあさる人の姿は珍しくはない。
 4~5枚目はインド・ムンバイの写真。ここは歴史あるスラムで、ドービーガート(洗濯場)と呼ばれている。住居を兼ねた洗濯屋が数百軒もひしめき合い、5000人以上の人々が働いている。密集した建物と薄暗い路地がいかにもスラムという場所だが、実は洗濯屋のオーナーの中にはそこそこの金持ちもいるという。しかし、カースト制の残るインドではこの生活から抜け出すことは難しい。発展著しいインドの縮図と言えるかもしれない。
 ビルの屋上にスラムがある。そう聞いて向かったのは香港だ(1枚目写真)。中国政府はスラム街の存在を認めておらず、普通に観光していて視界に入ってくることはないが、それもそのはずビルの屋上に存在しているのだ。屋上に建てられたバラック小屋に暮らす人たちは総計数千から1万人とも言われている。狭く不便だが家賃が安く、外国からの移住者など入居希望者は後を絶たない。
 フィリピンには墓場で暮らす人々がいる(2~3枚目写真)。金持ちが建てた小屋のような墓を家として暮らしているのだ。住人たちは墓のオーナーと個人的に契約をしており、墓守として管理をする代わりに無料で暮らしている。ちなみに墓守のいない墓所も見たが、そこは荒れ果て、被葬者の骨が露出していた。
 スラムに生きる人々の暮らしを見ると、その国の本当の姿がわかると思っている。
フィリピン[墓場スラム]
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墓守をしながら暮らす夫婦。棺桶は彼らのテーブルでありベッドである。
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頭蓋骨が露出した墓もある
インド[ムンバイドービーガート]
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ムンバイ市の南部にあるドービーガートには多くの洗濯物が集まってくる。すべてを手作業で行う風景は数百年間変わらないとのこと
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ケニア[キベラスラム]
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スラム内のドブ川や空き地に溜まったゴミに紛れた釘などの金属を探して生計を立てる人がいる。スラムの中でも最下層の暮らしだ
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写真・文/丸山ゴンザレス(危険地帯ジャーナリスト)
丸山ゴンザレス 世界の危険エリアを取材するジャーナリスト。TBS系『クレイジージャーニー』に出演。近著に『アジア罰当たり旅行(改訂版)』(彩図社)がある
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