小池百合子新都知事vs.森 喜朗「東京五輪予算3兆円」の攻防

全情報公開で明らかになる組織委員会の闇
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初登庁で1000人の職員に迎えられる小池氏。「感無量です。291万人の思い、責任を感じます」と「民意」を強調
「新国立競技場やエンブレムの問題など不透明なところで決まっている。間違いを繰り返さないよう、情報開示し都民に見えるようにしていきます」
 自民党、民進党など大政党を蹴散らし、まったくの独力で291万票を獲得した小池百合子新都知事(64)が8月2日、都庁に乗り込んだ。
 小池氏は選挙期間中の本誌のインタビューで冒頭のように語り、東京五輪の闇に切り込む決意を示していた。いったい誰が、どのように「五輪利権」を仕切っているのか――小池氏のターゲットは、「虎ノ門」にある。
「東京五輪組織委員会のオフィスは虎ノ門ヒルズ森タワーにありますが、道を隔ててわずか150mの、同じ森ビル系列のビルに森喜朗元首相(79)が個人事務所を構えている。都庁のある新宿でなく虎ノ門に事務局があることが、権力のありかを示しています」(都庁担当記者)
 組織委員会は、すでに森氏の「身内」で固められている。
 名誉会長には森氏と親しい御手洗冨士夫キヤノン会長、副会長には森氏のラグビー仲間、河野一郎氏。また、川井重勇(しげお)、髙島直樹の二人の都議が組織委員会理事を兼務するが、この二人は都議会自民党のドン・内田茂氏(77)の側近だ。
 一連の五輪会場工事では、内田氏が監査役を務める会社が、複数の事業を落札していたことも発覚している。知事選で小池氏を支持した元東京地検特捜部副部長の若狭勝衆院議員は、こう指摘する。
「五輪予算が説明なしにうなぎ上りに増えているのは事実です。高騰する理由が不明瞭な場合、そこに利権が介在している可能性がある」
 小池氏は2日の就任会見で、「情報公開チーム」「オリンピック・パラリンピック調査チーム」を立ち上げると宣言した。前任の舛添要一氏は「夢の島ユース・プラザ」などの建設中止や工法の見直しを行い、2000億円を削減したが、小池氏は運営の全体像の見直しを提言する。
「国、文科省、五輪担当大臣、JOCの4者の連携をよくしたい。ボランティアも別々に集め、ユニフォームも別々にある。これでは一体感も生まれない。ムダがない形にしたい。全体の予算を小さくすれば、都の負担も減るはずです」
 これまで森氏主導で進められてきた五輪準備を各組織の連合体とし、結果的に森氏の影響力を弱める。森氏はリオでの囲み会見で、
「全体をよく見ていただきたい。我々も施設を削減してきた。よく勉強していただきたい」
 と小池氏を牽制(けんせい)したが、今後対立が生じた場合、小池氏はその都度情報公開して都民の声を聞くことになる。
 小池氏は8月21日(現地時間)の五輪閉会式に出席、リオ市長から五輪旗を受け渡される。式には、安倍晋三首相も出席。安倍氏は選挙戦で一度も増田寛也候補の応援演説をせず、小池氏との関係修復を図っていた節がある。
「東京五輪の主役」は、森氏から小池氏へと移ったのか――その答えは、まもなく明らかになる。
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リオで囲み取材に応じる森氏。
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「都議会のドン」内田氏。小池都知事の初登庁時は不在だとして姿を見せなかった
PHOTO:鬼怒川 毅 時事通信社(森氏)
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