生前退位「天皇の意向」を受けとめた秋篠宮の覚悟

8・8 異例の「お言葉」発表
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長男の悠仁親王ひとりに皇室の未来がかかる現状を憂慮する
 2つの石庭をはさみ、総理執務室、官房長官室、総理会議室などが並ぶ国家権力の心臓部=首相官邸5階。
 7月末の金曜、このフロアは早朝から慌ただしい雰囲気に包まれていた。
「生前退位」の意向を持つ天皇が、8月8日にも自らの「お言葉」を表明する方向だということが伝わり、官邸スタッフは対応に追われていた。ある政府高官は、
「8日に、お言葉を明らかにされるということのようだ。テレビでのナマ中継になるだろう」
 と話したが、宮内庁の「独走」に渋面を隠そうとしなかった。
 別の政府高官は、安倍政権の本音をこう話している。
「この問題(生前退位)は、昨年官邸に来た話なんですよ。そのときは、ハッキリ難しい、と(宮内庁サイドに)伝えた。皇室典範に摂政の規定があるんですから。これまでにも大喪(たいそう)の礼の大幅な簡素化、火葬にすることなど、両陛下の多くのご希望を承ってきましたし」
 菅義偉官房長官は定例会見で、内閣官房の「皇室典範改正準備室」で皇族減少の問題に取り組んでいることを明らかにしたが、この機関でも、生前退位についての検討は行われていなかった。
 天皇の希望を昨年から把握していながら、首相官邸はなぜ放置していたのか。
「生前退位の法制化はきわめて難しいんです。退位を決断するのは陛下ご自身なのか、皇太子殿下か、それとも政府か。皇室典範をどう改定しても、将来に禍根を残す恐れがある」(官邸スタッフ)
「動かない官邸」への苛立ち
 天皇は昨年12月、82歳を迎えたが、7月の3度の健康診断でも、大きな健康問題は見つからなかった。三笠宮のように、100歳を超える長寿も期待されている。
 しかし、その一方で公務の段取りを間違えるなど、加齢に伴う失敗も現れてきた。「生前退位」は、天皇としての職責を果たしたいという強い希望の表れで、天皇の側近はすでに’08年ごろからそうした意向を伝えられている。
 それでも動かない安倍官邸――天皇は苛立ちを強めていたようだ。
「NHKにリークしたのは、宮内庁幹部のA氏です。官邸も、A氏が『ネタ元』であると特定している。実はA氏は、秋篠宮、常陸宮、三笠宮、高円宮の各宮家を担当する宮務の最高幹部なんです。非常に口が堅いことで知られるA氏がこうした行動に出た背景には、かなりの事情があったはずです」(宮内庁担当記者)
 宮内庁の内情に詳しい人物が明かす。
「陛下は皇太子殿下、秋篠宮さまと定期的に食事の機会を持ち、生前退位についても話されていましたが、陛下の意向を汲んだ秋篠宮さまがA氏を媒介に、NHKと接触したんです。NHKの記者は宮邸で、宮さまに直接面談取材した。
 事の重大さに、記者は後日上層部を伴って再度宮邸に赴き、最終確認も行った」
 秋篠宮は覚悟を秘めた表情で、
「お上のご内意をいただいて申し上げることですが――」
 と切り出したという。NHKはこれを受けて、参院選後に報道に踏み切った。
 一方、先の政府高官は、「(8日の)お言葉の中身はどのようなものになるのか」といまも苛立ちを隠さない。
「8日のお言葉を待たないと安易には語れませんが、秋篠宮は’11年11月に『定年制が必要になってくると思います』と話されています。お近くでサポートされているから、大変さが分かる。(皇室典範改正については)相当お考えになっているんでしょう」(天皇のテニス仲間で、学習院の2年後輩の織田和雄氏)
「皇室と政権の意思疎通がうまくできていないことが、8日のお言葉発表に繋がったのでしょう。皇太子ご一家も元気になられている。皇室典範を改正しないで、陛下のご希望に添うようにうまく引き継ぐ策を見つけ出してほしいと思います」(皇室ジャーナリスト・渡辺みどり氏)
 皇統の維持に寄せる、天皇家の覚悟は相当なものだ。安倍官邸は、憲法改正よりもこちらが最優先ではないか。
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8月1日の臨時国会に出席した天皇陛下。皇太子の年齢が、自身の即位時の年齢を超えたことを気に懸けている
PHOTO:産経新聞社 毎日新聞社
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