スクープ・インタビュー イスラム国に 「性奴隷」にされた女性の告白

IS兵士に誘拐され、レイプされ、そして出産した
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ドホーク郊外の村で暮らすサジェダと娘のノラ。イスラム国支配地域からは給水車のタンクに隠れて脱出した
「(奴隷市場は)3階建ての屋敷で、綺麗なドレスを着せられた少女たちが大勢いました。私は食事をとらず、体を不潔にして、嫌われるようにしていたんです」
 写真の女性サジェダ(20)は、カメラを向けても怯えるような素振りは見せず、毅然とした態度で質問に答えた。これまで何度かイスラム国による性的虐待を受けた女性と接触したことがあるが、顔を隠さず取材に応じてくれるのは大変珍しい。イスラム国は戦闘で奪い取った地域の住人を連行し、若い女性を"性奴隷"とする非人道的な行為を行っている。こうした事実をなんとしても届けたいという思いが伝わってきた。
 私が訪問したイラク北部のドホークにはイスラム国から命からがら逃れてきた人々がキャンプで避難生活を送っている。避難民の中でも特に迫害を受けたのが元々イラク北西部のシンジャールに住んでいた独自宗教を持つヤジディー教徒だ。
 ’14年8月3日、シンジャールに侵攻してきたイスラム国はヤジディー教徒を悪魔崇拝者とみなし、イスラム教への改宗を強要した。拒否した者は殺害され、6000人を超えるヤジディー教徒が奴隷として支配地域に強制連行された。
「当時18歳だった私は、逃げ遅れ、家族と離れ離れになってしまいました。その後、イスラム国兵士に捕まり、近郊の刑務所に連行されたんです。そこでは、若い女性だけが選別され、モスルにある別の場所へ移送されました」(サジェダ)
 そこが冒頭で語られた奴隷市場だった。
 サジェダはアブ・スレイマンという名の兵士に買われ、モスル近郊の村に連れて行かれると、毎日のように性的暴行を受けた。サジェダに飽きたアブ・スレイマンは彼女を別の兵士に売り、その後、5人の兵士に売り渡されイラクのイスラム国支配地域を転々とする。
 そんな状況下でサジェダは自分が妊娠していることを知る。
「兵士は子どもを堕ろさせようと棒や素手でお腹を何度も殴りました」(サジェダ)
 暴力は毎日のように繰り返された。
 サジェダは’15年11月、奴隷を救出する団体の手助けと支配地域に住む住民の協力で脱出に成功する。避難民キャンプに住む家族の元に戻ると、その10日後に娘のノラを出産した。しかし、キャンプの住民からはイスラム国の兵士の子どもを産んだと軽蔑され、ヤジディー教徒のコミュニティから排除された。サジェダと10ヵ月になった娘のノラは両親、兄弟と共にイラク北部ドホーク郊外の村に移り暮らしている。
 現在もイスラム国支配地域には3000人もの奴隷が過酷な環境で解放される日を待ち望んでいる。
写真・文/横田 徹(報道カメラマン)
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