山本公一新環境相の会社に「2億6000万円の巨額補助金」

妻が社長・長男が役員、親族に1600万円もの報酬を支払っている同族企業
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日振島へ行く高速船「しおかぜ」。宇和島までの往復には2時間弱かかる
 人口450人ほど、九州と四国に挟まれた豊後水道に浮かぶ日振(ひぶり)島。最寄りの愛媛県宇和島市との間を一日3便の高速船と1便の普通船が結ぶ。高速船の片道料金は2050円と高額な上、最終便は15時30分発と早い。客席は80あるが、毎回、乗客は10人程度だ。
「最終便が早すぎて、日帰りできません。航路の一部に陸路でも行ける場所もあり、バスのほうが便利ですわね」(地元住民)
 この高速船などを運営する「盛運汽船」は、10年ほど前から毎年1億円以上の赤字を垂れ流し、普通ならとうの昔に倒産していてもおかしくない会社だ。
 実はこの会社を経営するのは、先ごろ環境大臣に就任した山本公一衆院議員(68)の妻や長男。国交省の「離島航路補助事業制度」によって、国と自治体から毎年拠出される補助金で営業を続けているが、その実態はお粗末だ。
「山本大臣の妻・照子氏(66)が社長を、長男・太一氏(41)が取締役を務めていますが、赤字にもかかわらず、役員全体で1900万円もの報酬を得ていた。このことが’12年に全国紙で批判されると、役員報酬は照子氏の870万円だけになり、太一氏らは大半を給料に振り替えたが、いまも合わせて1600万円以上は受け取っていると見られます」(盛運汽船の経営問題を追及する地元オンブズマングループ代理人の奥島直道弁護士)
 山本氏は当選8回で、自民党谷垣派のベテラン。皮肉なことに派閥を率いる谷垣禎一前幹事長が入院し、退任を余儀なくされた穴埋めで入閣を果たした。
 盛運汽船は衆院議員だった父・友一氏が’33年に創業した会社で、山本氏は’81年から’92年まで同社の社長を、’00年まで取締役を務めていた。妻の照子社長が全株を保有する典型的な同族企業だ。
 奥島弁護士らは、「現状では山本一族に報酬を払うために補助金を出しているようなもの」として、’12年に愛媛県知事などを相手取り行政訴訟を起こしている。
 しかも、’13年には1億8000万円だった補助金が、赤字が膨らんだという理由で’14年度に2億6000万円に増えており、奥島氏は「経営努力がまったくうかがえません」と憤る。一審で却下されたが、今年4月に高松高裁に控訴した。
「他の同じ補助制度を利用している汽船会社は年4000万円程度なので、破格の金額です。また照子氏は補助金の金額など会社の代表取締役として把握しておくべき内容を把握しているように見えません。太一氏も役員として職責を果たしているのか、業務の実態がうかがい知れない。監査役も山本大臣の妹の夫。なぜ大臣の会社にだけ多額の補助金が出るのか、疑問が残ります」(奥島氏)
 山本氏は、政治資金についても不可解な部分がある。自由民主党愛媛県第四選挙区支部の政治資金収支報告書(平成26年度分)によると、同年1月26日の賀詞交歓会(宇和島)の会費として34万7000円が記載されているが、支出は84万372円となっており、49万3372円の持ち出し。差額分は有権者に対する利益供与にあたる可能性がある。
「もし差額を山本氏側が負担していれば、寄付とみなされ公職選挙法に違反する可能性があります」(日本大学法学部教授の岩井奉信氏)
 山本氏の事務所は取材に対し、「(盛運汽船の)経営にはまったく関与しておりませんので、ご質問の裁判については報道されている以上の詳細を知る立場にありません。公選法に違反するようなことはしておりません」と回答した。
 とはいえ、なぜ山本一族の会社だけが高額の補助金を受け取るのか、親族を役員に据えつづけるのか、疑問は消えない。
 大臣として権力の中枢にある以上、自らはもちろん親族にも高いモラルを求めるべきではないか。
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宇和島新内港駅内部に盛運汽船の本社がある。社員22人の小さな会社だ
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戦没者追悼式に出席した山本氏。目立った政治経歴もなく、漁業以外の部会にはほとんど顔を見せないという
PHOTO:三本 真 鬼怒川 毅(山本氏)
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