豊洲新市場 小池都知事が切り込む 「石原慎太郎人脈」の闇

鹿島営業部の大幹部に君臨する元秘書、
ゼネコン横並び受注の怪…
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当初「知事がパラリンピック出席から帰国するまでに調査する」としていたが難航、延長を繰り返している
「いくら事前に予定価格が公表されていたとはいえ、99.5%を超える落札率は典型的な官製談合でしょう。もちろん、断定はできませんが。考えられる可能性は、二つあります。一つは情報が漏れている可能性。もう一つは、関係者の話し合いによって決まっている場合。いずれにせよ、なんらかの作為がないとこの数字は出てこない」(経済事件に詳しい元検察官の落合洋司弁護士)
 豊洲新市場は、何者かの指示で地下の盛り土がコンクリート構造物に変更されていたことが発覚したが、そもそもの工事の発端から異常事態の連続だった。
「問題の土地は、東京ガスの工場跡地で、ベンゼンなど有毒物質が含まれている可能性があるため、’11年8月に、まず土壌汚染対策工事の入札が行われた。実は入札本番の1ヵ月前に、共産党都議団と東京都の担当者にナゾのファクスが送られてきたんです」(都政担当記者)
 問題のファクスは受注業者について、「5街区 鹿島建設JV」「6街区 清水建設JV」「7街区 大成建設JV」と予告し、「入札日は、一ヶ月後だけれどね!!!」と記されていた。
 共産党都議団の清水ひで子都議は、
「談合情報は、都庁近くのセブン-イレブンから送られてきました。情報と実際の落札結果がぴったり一致したので、議会で質問したんです」
 と話す。落合弁護士の見立て通り、事前の「話し合い」があった可能性が高い。
 それだけではない。
 土壌汚染対策工事終了後の’13年11月、3つの街区に建てる建物の入札が行われた。5街区に青果棟、6街区に水産仲卸売場棟、7街区に水産卸売場棟を建設するとしたが、いずれの街区でも業者が入札を辞退。翌’14年2月に、予定価格をそれぞれ6割以上も大幅に引き上げて、再入札が行われた。
 その結果は――5街区・青果棟=鹿島JV単独入札(落札率99.96%)、6街区・水産仲卸棟=清水JV単独(同99.88%)、7街区・水産卸棟=大成JV単独(同99.79%)。大手ゼネコン各社がきれいに棲み分けたのだ。
すべては’11年に決まっていた
 しかも、先の土壌汚染対策工事の結果と見比べてほしい。受注したのは、まったく同じ事業者。’11年段階から「話が出来ていた」のは明白だ。あるゼネコン幹部がウラ舞台を明かす。
「建設費の総額が3000億円近い豊洲市場は、都庁新庁舎以来久々の大型工事だった。当初は、各地で東京ガスの土壌汚染対策を多数受注している清水が『本命』と見られていたが、都庁の工事に強い鹿島、都庁OBを参与や理事に迎え入れている大成が巻き返した。どこかの段階で『調整』が行われ、各社横並び(の受注)となったんでしょう」
 実は’11年時点の都知事=石原慎太郎氏(83)と、鹿島には特別な人脈がある。
 石原氏と同窓の一橋大学を’73年に卒業後、鹿島に入社した栗原俊記氏(66)は、入社直後に石原氏の秘書として出向。15年間にわたって公設第一秘書などを務めた。自殺した新井将敬代議士の選挙ポスターに「元北朝鮮人」などのシールを貼ったとして’83年に書類送検されたが、その後鹿島に戻り営業部長、営業統括部長など営業畑の要職を歴任し、現在は専務執行役員にまで昇進している。
「石原都政時代、秋葉原再開発や大手町再開発など都庁関連の工事で、栗原氏の名前がしばしば取り沙汰された」(前出・都政担当記者)
 豊洲市場では、当初盛り土を前提として予算額が決定され、その額が支払われたが、結果的に盛り土工事は行われていなかった。
 石原氏は’11年8月、建物下に盛り土をしない、とした工事請負契約書に承認の印鑑を押しており、「盛り土なし」はこのころから既成事実化していたようだ。
 豊洲市場をめぐる一連の問題を追及する小池百合子知事(64)は調査チームを編成し、都庁の現役・OB職員らから話を聞いている。今後、石原氏周辺にも調査の手が及ぶと見られている。
 鹿島の栗原氏は本誌の取材に、「(豊洲市場に)私は全然タッチしていません」と話した。夫人とともに病院での検査から帰宅した石原慎太郎氏は、
「小池知事と会う予定? あります。(時期は)向こうに聞いてくれ」
 と近々の面談を明言した。小池氏の言う「ブラックボックス」のフタが、いよいよ開こうとしている――。
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「私の都知事在任中の件で、まことに申し訳なく思っています」とする文書を発表以降、コメントを拒否している
PHOTO:結束武郎 鬼怒川 毅
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