南海トラフ巨大地震「迫真シミュレーション動画」

東日本大震災の約17倍、
最大死者は32万3000人!
南海トラフ巨大地震「迫真シミュレーション動画」 画像1
大阪には阪神工業地帯や堺泉北臨海工業地帯などのコンビナートがある。日本第3位の出荷額を誇る
 20XX年、ある冬の日の夕方、M9クラスの地震が西日本一帯を襲う。地鳴りが響く中、愛知県では名古屋城から金のシャチホコが転げ落ち、4階建てのビルの2階部分が崩壊。瀬戸内海の大鳴門橋はグニャリと曲がり、静岡県下田では津波が市街地の車を飲み込む。大阪ではコンビナートが炎上、黒煙が空を埋め尽くしていった……。
 9月28日、内閣府は3分間のシミュレーションCGを含む、17分もの南海トラフ巨大地震の動画を公開した。
 ’13年5月に発表された南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの報告書を元に制作されたものだ。
「昨年の秋から動画制作の話が出て、正式に決まったのが12月でした。公開後、自治体や民間企業の防災担当者から問い合わせをいただきました」(内閣府担当者)
 関東から九州地方の太平洋沿岸には巨大な津波の発生が想定されている。死者は東日本大震災の約17倍の32万3000人、避難者数は950万人、経済被害は215兆円に及ぶという。
「’44年・’46年に東南海・南海地震が起きた際、日本の人口は1億人もいませんでした。現在はその1.5倍。しかも、増えた人口のほとんどは、崖地や液状化問題のある埋め立て地など海岸線沿いに住んでいる。都市部であっても安全ではない。JR大阪駅前は水位2mになり、地下街・地下鉄は水没。川も氾濫して、大阪のキタとミナミをつなぐ御堂筋が川になるでしょう」(報告書の作成にかかわった関西大学特別任命教授の河田惠昭(かわたよしあき)氏)
 停電により、あらゆる産業が大きなダメージを受ける。
「東日本大震災での東北電力の被害データを元にした研究によると、関西電力は1ヵ月停電し、四国電力は3ヵ月に及びます。中部電力も3ヵ月は停電するでしょう。工場は数ヵ月ストップする可能性が高い」(河田氏)
 シミュレーション動画では想定されていなかったが、感染症の危険もある。
「津波被害が発生した地域では、ヘドロや化学物質、細菌を含んだ海水が浸水し、危険です。被災直後はストレスにより免疫力が低下し、インフルエンザやノロウイルスの感染が広がりやすい」(災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏)
 熊本地震の際は、2万6000人もの自衛隊員が出動した。
「単純に死者数で換算すると自衛隊員が1億6800万人必要になる。国民が全員自衛隊員になっても足りません。物資も不足するでしょう」(前出・河田氏)
 南海トラフ地震の発生確率は30年以内に70%と言われている。いつか必ずやってくる大震災に備えなくてはならない。
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愛知県では名古屋城のシャチホコが転落。動画は内閣府のHPから視聴できる
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都市部では高速道路が崩壊。電車も線路から飛び出し、交通インフラは壊滅的に
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日向灘のある宮崎県には12mもの津波が襲い、街が水没。飛行機が飛ぶことも難しい
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