米海軍 最新鋭ステルス駆逐艦 『ズムウォルト』が狙う仮想敵国

『サンダーバード』にも出てきそうな外観ですが
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最後部の甲板には、巨大な軍用ヘリコプターも着艦可能。自動化により乗組員も158人で足りるという
 朝鮮半島の緊張感が日増しに高まっている。アメリカの北朝鮮研究グループは10月6日、豊渓里(プンゲリ)にある核実験場周辺の動きが活発化していることを報告し、北朝鮮が新たな核実験に踏み切る可能性を指摘した。
 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、国際社会の度重なる警告に反発するかのように危険な軍事行動を繰り返しているが、その渦中のタイミングで、米海軍期待の最新鋭駆逐艦『USSズムウォルト』が10月15日に就役する。
「ミサイルが高性能化・小型化されたこともあり、戦闘機やミサイルと戦う『対空』戦闘、他の戦艦と戦う『対艦』戦闘、潜水艦と戦う『対潜』戦闘という3つの攻撃性能を、一つの艦船に載せてしまおうという考え方を具現化したのが、ズムウォルトです。さらにこの艦はトマホークミサイルや艦砲射撃による『対地』攻撃の能力もかなり強力です」(軍事フォトジャーナリストの菊池雅之氏)
 全長約186m、排水量は1万5700tで、最高速は30ノット(時速約56km)を誇る。そしてこのズムウォルトを特徴づけているのが敵レーダーの探知をかいくぐる「ステルス性能」だ。
 平面が多い独特の形状もそのためのもので、通常むき出しになっている主砲も、艦首部分の二つの突起内部に収められている。ステルス性能を持った従来の艦に比べ、レーダー反射断面積は約50分の1まで低減。敵に気づかれずに密かに接近し、強力な攻撃力で一気に打撃を与える「忍者船」が誕生した。
「当初は30隻以上造られる予定でしたが、性能を詰め込みすぎたきらいもあって建造費が高騰。結局3隻だけの建造になりました。建造費は1隻あたり44億㌦(約4500億円)以上。開発費も含めると、3隻合計で225億㌦にも上るとされています」(在米ジャーナリスト)
 現在建造中の2隻を含め、3隻すべてが米海軍の太平洋艦隊に所属することが発表されており、米軍佐世保基地に配属される可能性がきわめて高い。
「ズムウォルトの極東配備は、中国と北朝鮮を牽制(けんせい)するためでしょう。尖閣諸島や南沙諸島周辺海域を頻繁に航行する中国軍の艦艇の動きを牽制し、暴走を止めない北朝鮮に対する抑止力になることが期待されている」(防衛省元幹部)
 ステルス性能を武器に"仮想敵国"の懐に飛び込む最新鋭艦の登場は、対中国、対北朝鮮の軍事パワーバランスをどう変えるのだろうか。
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弾道ミサイルの試射が成功し笑顔の金正恩委員長。アメリカ最新鋭駆逐艦の威力をどう受け止めるのか
PHOTO:米海軍(ズムウォルト) AFP=時事
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