黒田博樹の選手生命を縮めた7年前の打球直撃事件

日本シリーズ開幕前に引退会見
黒田博樹の選手生命を縮めた7年前の打球直撃事件 画像1
直撃した瞬間の映像。打者は巨人にも在籍したライアル。後日ライアルが謝罪すると黒田は「気にせず大打者になって」と笑った
「この数年は満身創痍でしたよ。若いころは投球の際に胸の下まで上がっていた左ヒザが、ベルトまでしか上がらなくなっとったからね。痛み止めを打ちながらの登板です。それでも黒田が『ツラい』『苦しい』と言うのを、聞いたことがない。『ローテーションを任されていますから』と、表情ひとつ変えずマウンドに上っていました。日本シリーズ直前のこの引退発表で、『黒田をもう一度胴上げしよう』とチームは一致団結するハズです」
 広島の黒田博樹(41)について、元監督・達川光男氏はこう語る。
 10月18日、日本ハムとの日本シリーズ開幕を4日後に控えて突然の引退表明。会見で黒田は「(日本シリーズでの)最終登板前にチームメイトとファンに報告したかった」と語り、引退理由について次のように説明した。
「先発完投というスタイルでずっとやってきました。それが9回投げられない身体になってしまった。他の選手に示しがつかない歯がゆさは、常にありました」
 黒田の選手生命を縮めた事件がある。ドジャースに所属していた’09年8月15日、ダイヤモンドバックスとの一戦。相手打者の打球が頭部を直撃したのだ。
「マウンド上で倒れた黒田は起き上がることができず、頭を固定された状態で病院に緊急搬送。精密検査で首の骨が数ミリズレていることがわかり、頸部神経根症(けいぶしんけいこんしょう)と診断されました」
 頸部神経根症とは首の神経が圧迫され、全身に痛みやしびれが起きる症状だ。
「万全の状態で投げるために、本来、黒田には中10日が必要でした。それでも『休みたい』とはひと言も言わず、ローテーションを守り続けた。メジャーでは中4日で投げていたこともあります。広島では中1週間ほどでしたが、ツラそうな時は、トレーナーが『どうか休んでください』とお願いしていたんです。中10日なら完璧な投球内容でした」(同前)
 前出・達川氏が明かす。
「最後は指先が麻痺しボールを握っている感覚もほとんどなかったようですが、電気治療などでゴマかしゴマかし投げとった。身体が悲鳴を上げているにもかかわらず、試合後は菊池(涼介)や鈴木(誠也)など若手野手に対し、『今日もいい守備で助けてくれてありがとう』と声をかける気遣いも忘れなかったんです」
 黒田の最後の望みは「日本一になって広島に恩返しする」ことだ。
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