シリーズ 有名人たちのもう一つの顔「私、マニアです」第25回 みうらじゅん(イラストレーター)

ゴムヘビ集め

「"絶滅危惧種"玩具を求めてアジアを歩く」
シリーズ 有名人たちのもう一つの顔「私、マニアです」第25回 みうらじゅん(イラストレーター) 画像1
 コブラ、海ヘビ、アナコンダ……。イラストレーターのみうらじゅん(58)の周りにうごめくのは、150匹を超えるゴム製のヘビだ。
「小学生のころ、ボクはゴム製のウンコやヘビなど、人を驚かせる"ショックトイ"と呼ばれるオモチャが好きだったんです。昔は駄菓子屋などに必ず置いてありましたから。好きな女の子の誕生会に、ゴムヘビをプレゼントとして持って行ったりしてね。喜んでくれるかと思ったら、逆に『二度と来ないで!』と嫌われてしまったこともありました(笑)」
 だが、大人になり異変に気づく。オモチャ屋からゴムヘビが消えていたのだ。
「『これは絶滅危惧種だ! "捕獲"しておこう』と思い立ちました。それで神社参道のお土産店や縁日でも探したんですが、思うように集まらない。調べると、ゴム製品を柔らかくするために使われるフタル酸エステル類という化学物質が原因だとわかりました。子どもが口にすると有害なので、使用が規制されていたんですよ。ゴムヘビは、海外とくに中国や東南アジアに行かなければ手に入らない、貴重なオモチャになっていたんです(現在、日本で市販されているモノには『フタル酸不使用』などの表示がされている)」
 みうらは5年ほど前に台湾に行き、オモチャ屋で段ボール数箱分、100匹以上のゴムヘビを購入した。
「でも、すぐ劣化して重ねておくとくっついてしまうんです。仕方なく捨てたヘビも少なくありません」
 その後は、アジア各国を回り数千匹のゴムヘビを入手する。
「日本ではアオダイショウをモチーフにしたモノが大半ですが、インドで初めてコブラを見つけたときは嬉しかったですね。ゴムヘビは大きく二つに分類できます。とぐろを巻いた『とぐろ型』と、そうでない『自由型』です。とぐろ型には生物学上間違ったモノがある。ヘビは頭を守るために、とぐろを巻くんですよね。だから頭は当然とぐろの中心になくてはならない。でもそのゴムヘビは、頭がとぐろの端にあるんですよ(笑)」
 みうらは、ゴムヘビ研究の第一人者を自任している。
「『原色ゴムヘビ大図鑑』なんて本を出したいんですが、こればっかりは出版社が話に乗ってくれないとね。民俗学的にも、いつの日か評価されると思うんですが」
PROFILE
みうら・じゅん ’58年、京都府生まれ。’80年、武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。他に小説や音楽なども手がける。’97年「マイブーム」で新語・流行語大賞受賞。仏像、ゲーム機集めなど多趣味。企画、原作、脚本を務めた映画『変態だ』が12月10日から新宿ピカデリーなどで全国ロードショー
PHOTO:小松寛之
あなたにオススメ

FRIDAYダイナマイト

5月2日発売
fridayダイナマイト

FRIDAY写真集

電子写真集