誇りを失った東京電力「社員5000人が退社」

原発再稼働難航、原油高で経営難、次期社長は外国人説も
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原発再稼働には慎重な姿勢で当選を果たした米山氏だが、会見では「柏崎刈羽原発を視察する」と発言した
「原発再稼働に慎重な姿勢? はい、それでいいと思いますよ」
 新潟県の米山隆一知事(49)は、本誌の直撃にそう答えた。
 11月22日に予定されていた米山知事と東京電力ホールディングスの數土(すど)文夫会長(75)、廣瀬直己社長(63)との会談は、この日の早朝福島沖で発生した地震のため、直前にキャンセルされた。
「數土会長が自ら新潟に足を運ぶのは初めてで、会長は知事との会談に大きな期待をかけていました。新潟・魚沼市から東大医学部に進んだ米山氏に対して、數土氏は富山出身・北大工学部卒。日本海側出身者で国立理系という共通点がある。ここはオレの出番だ、と気合が入っていたんですが……」(東電幹部)
後ろめたくて酒も飲めない
 東電にとって、新潟は経営の生命線だ。
「(柏崎刈羽原発の)6号機、7号機だけでも動かせれば年間2400億円の収益増が見込める」(數土会長)ため、再稼働に知事の同意を取り付けようと懸命だ。
「今年までは原油安の恩恵を受けて利益が出ていたが、来年以降は円安もあり、かなり決算は厳しくなる。業績不振の責任をとって、廣瀬社長は来年6月に交代すると見られています」(全国紙経済部記者)
 その廣瀬氏の後任社長をめぐって、すでに綱引きが始まっている。
「廣瀬氏は文挾(ふばさみ)誠一常務を推薦しているようですが、數土氏らは『血の入れ替えが必須だ』と主張している。東電が中電と共同で出資した会社の会長を務めるヘンドリック・ゴーデンカー氏(57)の抜擢もウワサされています」(前出・記者)
 東京電力に1兆円の資本を注入、実質国有化した経産省も経営再建策を模索するが、社員には無力感さえ漂っている。
「経産省が主導する委員会は外部に非公開で、中身が見えてこない。追加のリストラのような話もあり、この職場はどうなってしまうのか、強い不安があります。都内の社宅などが売却されて福利厚生がほとんどなくなり、組合員の数も減る一方です」(東電労組幹部)
 この幹部によると、震災当時3万3300人いた組合員は、現在2万8900人。社員全体では5000人以上減っている。全体の2割近くが退職した計算だ。
「新入社員の採用は2年前からようやく復活しましたが、以前の5分の1程度の人数で、職場に若い人が少ない。外で飲むときもどことなく後ろめたくて、社章をはずして飲んでいます」(東電社員)
 東電の長い冬は、まだしばらく続きそうだ。
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東電プロパー社員トップの廣瀬氏。數土会長との関係はこじれる一方で、今年6月の総会で更迭寸前だった
PHOTO:結束武郎 鬼怒川 毅
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