次はどこで?オスプレイが日本人を殺す日

沖縄県警は遠巻きに見ているだけ、これが日米地位協定の現実だ
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事故を起こしたオスプレイの海中写真。先端から給油口が伸びている。米国でオスプレイは「ウィドーメーカー(未亡人製造機)」と呼ばれ、’00年以降でも35人が亡くなっている
 屈強な米国人ダイバーが、海中から次々と無残な機体の残骸を引き上げる。規制線の外側には沖縄県警の警察官。彼らは何もできず、ただ遠巻きに見ているだけだった。
 12月13日夜10時前、空中給油訓練をしていた米海兵隊の新型輸送機オスプレイ(MV22)がプロペラを損傷し、名護市安部(あぶ)の海岸に墜落した。現地住民が憤(いきどお)る。
「米軍幹部は『県民や住宅に被害を与えなかったんだから、感謝されるべき表彰モノだ』と言っていますが、とんでもない。事故当時、現場近くで漁をしていた住民もいた。人命にかかわる大惨事となっていたかもしれないんです」
 プロペラの構造が特殊で、上空で角度を変化させ飛行するオスプレイの危険性は、以前から指摘されてきた。開発期間中の’91年以降に起きた死亡事故は、少なくとも9件(死者46人)。今回事故を起こしたMV22の事故率は、通常の輸送ヘリの2倍に及ぶ。
 オスプレイの脅威は全国に広まりつつある。’17年から横田基地(東京都福生市など)へ10機、’19年以降には自衛隊用として佐賀空港(佐賀県佐賀市)に17機配備される予定なのだ。しかも横田基地に配備されるのは、MV22より事故率がさらに8倍も高いCV22という機種である。軍事ジャーナリストの世良光弘氏が語る。
「CV22は夜間や低空飛行などを想定しており、そのぶんメカニズムや操作がより複雑になります」
 米軍が事故を起こしても、日本は自主的に捜査をできない。在日米軍の権限などを定めた、日米地位協定が障害となっているのだ。元日本大学国際関係学部特任教授の北岡和義氏が解説する。
「地位協定では基地内だけでなく、基地外で米兵が公務中に起こした事件や事故に関しても米軍の第一次裁判権を認めています。米軍の許可がなければ、日本の警察はいっさい手出しできません」
 米軍は事故後1週間もたたない12月19日、オスプレイの全面飛行再開を決めた。捜査に加われない日本側は、一方的に〝納得〟させられた形だ。もはや、いつどこで死者が出てもおかしくない。
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ゴムボートから陸揚げされた残骸。沖縄県警の警官も海上保安庁の船も、米軍の作業を見守ることしかできない
取材/桐島 瞬(ジャーナリスト)
PHOTO:牧志 治
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