インサイドレポート「東芝19万社員救済へ」首相官邸が動いた!

「地銀一行分」の巨額損失発覚!
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常に総理と行動をともにする今井氏(右)。北方領土返還問題でも奔走したが、交渉は事実上失敗した
「東芝はどうなっているんだ。大丈夫なんだろうな」
 安倍晋三首相(62)は、今井尚哉首相秘書官(58)と世耕弘成経産相(54)にこう言い放ったという。
「東芝が債務超過などという事態になればアベノミクスに与える影響は甚大です。今井秘書官や世耕大臣は逐一、報告を上げているのですが、安倍首相は『特損のシミュレーションはしているのか』と不安視しています」(官邸関係者)
 昨年末、東芝に数千億円規模と見られる巨額損失が発覚した。事態を重く見て、首相官邸も情報収集に奔走。「万一」に備えた対応を検討していた――その内幕をレポートする。
 今回損失が発覚したのは、東芝再建の大きな柱のひとつと位置づけていた米原発子会社・ウエスチングハウス(WH)社だった。’11年の福島原発事故以後、受注減に苦しんでいたが、東芝は昨年3月に同社の再建計画を発表し、「’18年度には原子力事業の売上高を1兆200億円、’30年度までには世界で45基を受注する」としていた。
 ところが、その1ヵ月後、WH社の資産価値を見直したところ、2600億円もの減損が発覚。そこに追い討ちをかけたのが、WH社が’15年12月に買収した原子力サービス会社のCB&Iストーン・アンド・ウェブスター社(S&W)だった。買収から1年が経過し、同社の業績が想定外に悪化したのだ。
「東芝首脳は、日経新聞が12月27日に損失をスクープするおよそ1週間前に事実を知らされていました。茫然とした綱川智社長(61)は『どうしたらいいんだ?』と呟くばかりだった」(東芝関係者)
 東芝最大の危機に対し、最高指揮官はほとんど機能不全だった。綱川氏は昨年6月に社長に就任したばかり。「本来は原発事業出身の志賀重範副社長(63)が適任だったが、原発事業は戦犯だから、と無傷の綱川氏が選ばれた」(東芝OB)という。志賀氏は会長に就任した。
 綱川社長らはメインバンクであるみずほ銀行に報告。一時は、「損失は地銀一行分の預金量に匹敵する。このままじゃ、銀行管理か法的整理しかないかもしれない」(東芝幹部)との声が漏れるほどだった。
 東芝が’06年にWH社買収に踏み切ったのは、当時、経産省原子力政策課長だった柳瀬唯夫・現経済産業政策局長のあと押しがあったからだという。経産省は「原子力ルネッサンス」というキャッチフレーズを掲げ、日本の原子力業界、中でも東芝の海外進出を支援した。
「インフラ輸出の中心にいたのが経産省出身で現首相秘書官の今井氏です。もし東芝が法的整理という事態になれば、今井氏の責任、経産省の責任になってしまう。東芝はグループ全体で19万人の従業員を抱える巨大企業。『働き方改革』を掲げるさなか、東芝が倒れたら、アベノミクスどころではなくなる」(全国紙政治部記者)
 今井氏は内々にみずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長に連絡を取り、支援を要請したという。みずほを中心とする銀行団は官邸の意向を受けて、1月10日、東芝と緊急会合を開き、融資引き上げをしないと申し合わせた。
「銀行も経営改善策をしっかり示されないことには、いくら政府が東芝の面倒をみろといっても、簡単に融資できるものではない。万が一のことがあれば、銀行の頭取などが責任を負う。融資判断は、非常に厳しいものになるはずです」(経済・環境ジャーナリストの三橋規宏氏)
 ひとまず銀行の支援を取り付けても、東芝の危機は去っていない。1月18日、東芝は稼ぎ頭であるフラッシュメモリーを含む半導体事業を分社し、米ウエスタンデジタル社から2000億〜3000億円規模の出資を受け入れる交渉に入ったと報じられた。いまの東芝には虎の子事業を一部売却するしか、有効な資金繰り策は残されていないのだ。
 2月に控える決算発表で正確な損失額と今後の再建計画が発表される見通しだが、巨大企業・東芝の浮沈は安倍政権の「時限爆弾」となりつつある。
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昨年末、会見に現れた綱川社長。巨額負債発覚後、「自宅にはほとんど戻っていない」(近隣住民)という
PHOTO:堀田 喬 鬼怒川 毅
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