東芝「解体危機」で野球・ラグビー・サザエさんが危ない!

落合博満、リーチ・マイケルらを輩出した名門が風前の灯火
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1月27日に会見した綱川社長。「責任を大きく感じている。去就は(人事の諮問機関の)指名委員会に委ねる」と話した
 2月14日に予定される決算発表(第3四半期)に向けて、東芝社内では連日、緊迫したやりとりが続いている。
「長期の再建計画はどうするつもりですか!」
 1月27日、東芝本社で行われた役員会は社外役員が経営トップの見解を問い質す展開となった。綱川智社長(61)は今回の決算発表について、
「それは監査法人に任せてますから」
 と絞り出し、志賀重範会長(63)も、こう同調したという。
「いまは数字じゃないかと。(監査法人は)我々より上手くやってくれますから」
 出席者の一人は、「あまりに当事者意識が欠落している……」と天を仰いだ。
 買収した米原発子会社の巨額損失が発覚し、債務超過転落の危機に直面する巨艦・東芝。
「稼ぎ頭」の半導体部門を分社化して株式の一部を売却、2000億円前後をひねり出すなど、経営陣は金策に奔走している。メスを入れるのは、原子力、半導体部門だけではない。すでに東芝メディカルシステムズはキヤノンに売却したが、さらなる子会社売却に加えリストラ、賃金カット、資産の切り売りが不可避だ。
 そこでいま、注目されているのが、東芝の誇る名門スポーツクラブだ。
「東芝はかつて、バレーボール、ソフトボール、サッカーなどの運動部を持っていたが、いずれも消滅。バスケットは昨年、Bリーグのチームに移行したため、現在残っているのは名門の野球部と、ラグビー部の二つだけなんです」(スポーツ紙アマチュアスポーツ担当記者)
 中でも野球部は、中日の落合博満前GM(63)ら多数のプロ野球選手を輩出。都市対抗野球大会の常連で、過去7回の優勝を果たしている。
「東芝野球部は、社員の士気高揚につながるだけでなく、東芝が大事にしてきた企業イメージを体現しています。すなわち、ただ強いだけではなく、人間力を鍛えることに重きを置いているということ。真冬に伊勢(三重)に行って神宮を清掃したり、氷点下の中で川に入って禊(みそ)ぎをしたりしたこともあります。野球部出身で、その後、東芝本体の役員や関連会社の社長になったものもたくさんいますよ」(東芝野球部OBで、元ヤクルトの青島健太氏)
 ラグビー部も負けてはいない。長年社会人の強豪としてラグビー界を牽引し、’15年のW杯には代表に5人も送り出した。その時主将を務めたリーチ・マイケル(28)も東芝でプレーしている。
「野球部もラグビー部も毎年の部費は億単位と言われます。巨額損失に比べれば微々たるものですが、リストラなどを断行する際、社内外に本気度を示すために、廃部にする可能性は十分あり得ます」(全国紙経済部記者)
 同様に、’69年からスポンサーを務めてきた国民的アニメ『サザエさん』のCMを存続させるかどうかも判断を迫られる。最近は東芝が経営の主軸を家電から大型設備にシフトしているため、広告効果が疑問視されていた。’98年からは一社提供をやめ、複数社で出稿しているが、50年近い歴史に幕を閉じる可能性も指摘されている。
 東芝広報・IR部は本誌の取材に対し、野球部、ラグビー部、サザエさんのいずれについても「現段階で決まっていることはありません」と回答した。
「最終的に東芝は原発事業のみを残し、事実上の政府管理としてやっていくほかないと思います。経産省傘下の『産業革新機構』などを利用して実質国有化するスキームになる可能性が高い」(東芝取材を続ける経済ジャーナリスト)
 もはや、メンツにこだわっている場合ではない。東芝に「決断の時」が迫っている。
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野球部の創部は’58年。元阪神の坪井智哉、元巨人の高橋尚成らも在籍した。下の写真はロッテ時代の落合。東芝には5年在籍
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ラグビー部「東芝ブレイブルーパス」の練習グラウンド(府中市東芝町)。創部は’48年。下の写真はリーチ・マイケル
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PHOTO:蓮尾真司(綱川社長) 濱崎慎治 時事通信社(落合、リーチ)
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