北半球にマイナス20℃をもたらした「極渦」の正体

アフリカに雪、ヨーロッパで凍死者激増、日本でも豪雪
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ドナウ川に落ちて凍結したキツネの死骸。トルコでは凍った状態で死んでいるロバが数頭見つかっている
 世界が大寒波に襲われている。
●昨年12月19日、北アフリカのサハラ砂漠で37年ぶりの積雪を観測。
●1月8日にポーランドでマイナス30℃を記録、ヨーロッパで65人以上が凍死。
●1月13日、ヨーロッパ中部を流れる大河ドナウ川が凍結。ドイツ南部のフリディンゲンで、同川に落ちたキツネを氷漬けの状態で発見(上写真)。
●1月24日、鳥取県で観測史上最高の241㎝の積雪を記録。400台近い車が、最大で18時間立ち往生。
 各地に異常気象をもたらしたのは、北極上空10〜50km付近に流れる、「極渦(きょくうず)」と呼ばれる寒気の渦だ。冬の間まったく日が当たらない北極の地上で冷やされたマイナス20℃以下の空気が、上空に溜まったものである。
「極渦の周囲には、ジェット気流(偏西風)が流れています。その流れが正常なら、寒気が北極圏から南に溢れ出すことはありません。ただ今季はペルー沖から中部太平洋にかけ海水温が下がるラニーニャ現象などの影響で、ジェット気流が蛇行し場所により大きく南下。その分、ヨーロッパや日本、北アフリカにまで極渦が流出し、異常低温や豪雪をもたらしているんです」(東京大学先端科学技術研究センター・中村尚教授)
 今冬はジェット気流が不安定に蛇行する状態が続いているため、いつ大寒波が発生しても不思議ではない。
「極渦の勢力が強い4月ごろまでは、普段雪が降らない地域でも季節外れの豪雪に襲われるかもしれません。気流が乱れるので、雷にも注意が必要です。冬の積乱雲は夏に比べて層が薄いため、雷は雲内で放電することなく、地面めがけていきなり落ちてきます。夏に比べ、そのエネルギーは100倍になると言われています」(気象予報士・森朗氏)
 酷暑、豪雪など繰り返し北半球を襲う天変地異は、環境破壊の報いなのか――。
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鳥取県智頭町(ちづちょう)で車が立ち往生。乗っていた人々は近くの施設に避難。発熱などで7人が病院に搬送された
PHOTO:毎日新聞社 picture alliance/アフロ
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キャプション(縦長)
Photo:撮影者
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