渡辺一平「肉体改造でさらに高みへ」

身長193㎝、
足のサイズは30㎝
平泳ぎ世界新!
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小指の長さは10㎝という。中指はおそらく15㎝くらいか。「いまは自転車通学ですが、ケガ゙が怖いのでいずれ免許を取って車通学したいんです」
「世界記録は出せるとは思っていました。それが今回の試合とは考えていませんでしたけど……早いか遅いかというだけの話です。(トップシーズンではない)この時期の世界新記録はもちろん嬉しいんですけど、もっと伸びるはず。満足はしていません」
 1月29日、北島杯(東京・辰巳国際水泳場)。早稲田大学2年の渡辺一平(19)が200m平泳ぎで2分6秒67の世界新記録で優勝した。その2日後、トレーニングに向かう同選手を直撃した。
「泳いでいる時の感覚がすごく良かったので、2分7秒台は出るかなと思っていたのですが、正直、6秒台だったことには僕自身も驚いています。タイムが伸びている要因のひとつは下半身の強化です。バーベルを担いでのスクワットなど、従来より負荷をかけたウェイトトレーニングの成果で、今回スタートやターンで他の選手より前に出られたんじゃないかと思います」
 '00年シドニー五輪競泳代表で現在はスポーツコメンテーターーの萩原智子氏は、渡辺選手の肉体改造についてこう述べた。
「193㎝の長身と水をつかむ手の使い方の巧さで、渡辺選手は高校時代から注目されていました。ただ下半身がとても弱かったんです。長い手足が生む大きなストロークや、30㎝という足の大きさは有利なのですが、使いこなす筋力がないと水の抵抗に逆らえず宝の持ち腐れになってしまうのです。
 しかし、筋力トレーニングは諸刃の剣です。平泳ぎは競泳4種目の中で唯一、膝を折り曲げてキックするので、ものすごく膝に負担がかかる。ですから、ただ筋肉量を増やしても柔軟性が失われるとすぐに故障してしまいます。中学以降渡辺選手を育ててきた指導者が目先の成績アップに惑わされず、じっくり育ててきたことでいまの彼があると思います。
 さらに現在のコーチの奥野景介氏はロサンゼルス五輪の選手でもあり、スポーツ方法学の研究者でもあります。今回は試合前『前半から行って自分の限界を越えろよ』と奥野コーチが声をかけたと聞いていますが、絶妙なタイミングだったのではないでしょうか」
 7月に開催される世界選手権の予選は、4月の日本選手権だ。世界記録を出したことで周りからの期待は大きくなる。実際、彼はリオ五輪では準決勝で五輪新記録を出しながら、決勝では6位になったという不本意な"実績"もある。
「オリンピックで結果が出せなかったのはプレッシャーというより、勝負にこだわりすぎてしまったのだと思います。人から『頑張ってね』とか『期待してるよ』と言われるのは嫌なプレッシャーにはなりませんよ。やっぱり嬉しいですし」
 別れ際、礼儀正しく記者に「ありがとうございました」と挨拶をしてくれた渡辺選手。水泳界にニュースターの誕生だ。
PHOTO:小松寛之
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