藤村俊二さん秘話「川上麻衣子へ"最後のキス"」

心筋梗塞のため82歳で亡くなった
おヒョイさんの美学

藤村俊二さん秘話「川上麻衣子へ
’08年12月の誕生日に自身が経営する南青山のバー「O’hyoi’s」で。左から女優の秋本奈緒美、川上、本人、井丸ゆかり

「『ワインだけは男性に注(つ)がせなさい』というのが口癖でした。女性が手酌するような無粋なことを、男性はさせちゃいけないと思っていたようです。おカネにモノを言わせる人も嫌っていた。『一番高いワインを出してくれ』なんて言う客がいると表面上は笑っていましたが、私たちには『おバカさんが来ましたよ〜』とおどけていましたよ」

 親交のあった女優・川上麻衣子(51)は、そう「おヒョイさん」を偲ぶ。1月25日、俳優の藤村俊二さんが心筋梗塞で亡くなった。享年82。ここ数年は闘病生活を続けていたが、ついに力尽きた。

 川上は’00年の舞台「天国から来たチャンピオン」で共演。当時パニック障害を患っていたが、藤村さんから「舞台で倒れても逮捕されないから大丈夫だよ」と励まされて以来、毎週のように会食するようになった。

「タレントの黒沢久雄や『フォーリーブス』の青山孝史ら芸能人が多く参加する毎年恒例のゴルフコンペでは、打ち上げで司会を務めることもありました。『今日のスコアは消防車(=119)です』などと言って、みんなを笑わせていた。ラウンド中も女性が打った後は、率先してボールを探す。『ツラいことをするのはしんどいけど楽しむことにオーバーワークはない』と、常にサービス精神旺盛でしたね」(30年来の友人だった「ジョワブレーン」社長・塚田伸夫氏)

 川上が最後に言葉をかわしたのは、一昨年の12月8日、藤村さんの誕生日だったという。

「入院していた御殿場(静岡県)の病院にお見舞いに行ったんですが、あまり体調が良くなさそうで、長い時間はお話しできなかった。帰り際、耳元で『また来るね』と囁くと、ほっぺにチュッとキスしてくれました。その仕草が本当にシャレていて……」

 川上はそう言って言葉を詰まらせる。トレードマークの口ひげを整えられて棺に収まったおヒョイさんは、お気に入りのグレーのスーツを着て旅立った。

藤村俊二さん秘話「川上麻衣子へ

’86年2月のゴルフコンペにて。早大中退後は振付師としてレナウンCMなどに携わる

PHOTO:塚田伸夫氏提供



あなたにオススメ

FRIDAY GOLD

10月18日発売
friday gold