19万社員の悲鳴が!東芝「解体」待ったなし

高輪の迎賓館、青梅の土地売却も焼け石に水
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2月14日、記者会見場をあとにする綱川智社長。志賀重範会長は米原発事業での巨額損失の責任をとり15日、辞任した
「会見できない? どういうことだ、日時を設定したのはそっちじゃないか!」
 2月14日午後2時半、東京・芝浦の東芝本社では詰めかけた報道陣と広報担当者とのあいだで押し問答が繰り広げられていた。この日、東芝は昨年4〜12月期決算を発表するとしていたが、傘下の米原子力大手ウェスチングハウスに「内部統制上の不備」が発生したとして、最終的な発表を土壇場で1ヵ月延期。社内は大混乱していた。
 結局、会見は予定より2時間半遅れで開始。東芝は米原子力事業をめぐって7125億円の損失を計上し、純損益が4999億円の赤字となる見通しで、昨年12月末時点では1912億円の債務超過だったと発表した。なお、この数字は監査法人が未承認のため参考値だ。
「中国で建設中の原発の費用が今後膨らむ懸念も払拭できていません。この3月末に債務超過を回避できなければ、東証二部落ち、さらに上場廃止になる可能性も出てきます。それとは別に現在東芝は、投資家に注意喚起を促す『特設注意市場銘柄』に指定されている。3月15日以降に提出する内部管理体制の確認書が東証に『改善なし』と判断されれば、やはり上場廃止になります」(経済ジャーナリスト・高橋篤史氏)
 東芝は稼ぎ頭である半導体部門を分社化し、その株式の半数以上を売却することも検討している、と明らかにした。原発事業も縮小し、他社との提携を模索中で、そうなれば事実上の解体だが、もはや他の選択肢は残っていない。すでに医療機器子会社や白物家電子会社や保有株式などは売却済み。国内の不動産売却の動きも加速している。
「昨年9月に東芝山口記念会館(港区高輪)を、同12月に青梅(おうめ)事業所(青梅市)を相次いで売却しています。金額的には〝焼け石に水〟ですが、どちらも東芝にとって思い入れのある資産だっただけに、苦渋の決断でしょう」(東芝OB)
 高輪の会館は主に幹部専用の接待所として使われており、社員の間では〝迎賓館〟と呼ばれていた。品川駅から徒歩10分、約2400㎡の広い敷地に建つ洋館だ。もとは旧三井財閥の実業家で元三越社長の朝吹常吉(あさぶきつねきち)の私邸だったが、同じ三井グループの東芝が’59年に購入。今回、日本テレビホールディングスに売却したが、金額は未公表だ。
 一方の青梅事業所は’68年に創立され、テレビやパソコンの開発拠点として、ピーク時には約4600人の従業員が働いていた。その約12万㎡の広大な土地を、野村不動産に100億円で売却。’17年度中に東芝が建物を解体する。しかし、こんな程度のリストラでは到底追いつかないのが現状だ。
 メインバンクからはスポーツ・文化事業の補助金縮小を求められ、伝統ある野球部やラグビー部も廃部になる可能性が出てきた。50年近くスポンサーを務めている『サザエさん』のCM提供を打ち切る可能性もある。
 大東芝解体――我々は間もなく、その歴史的な場面を目撃することになる。
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地上2階、地下1階建ての東芝山口記念会館。1925年築。一流ホテルからスカウトした専属料理人、ソムリエが常駐していた
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青梅事業所は現在、野村不動産から賃貸している状態で、約1100人が働いている。更地にした後、巨大な物流施設になる
PHOTO:蓮尾真司(1枚目) 濱崎慎治
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