稲田朋美防衛相に「南スーダンの現実」を直撃インタビュー

なぜ戦闘を「武力衝突」と言い換えたのか、日報は読んでいるのか

稲田朋美防衛相に「南スーダンの現実」を直撃インタビュー

「マスク外しますね」愛用のフランクミューラーの時計で時間を気にしながら取材に応じた

 建国記念日の2月11日昼近く、建て替えが終わったばかりの都内住宅地の豪邸から、稲田朋美防衛相(57)が姿を現した。グレージュのコートにヴィトンのワンマイルバッグ。夫、娘とともに土曜のランチを楽しむのだろうか――。

 稲田氏はいま、国会で集中砲火を浴びている。南スーダンのPKO活動に派遣した自衛隊員が、日報に「戦闘があった」と記載していたことが発覚。野党は「自衛隊の海外派遣の要件に抵触する」と大批判を開始した。稲田氏の答弁が頼りないと見るや、すかさず助け船を出す安倍晋三首相(62)が「駆けつけ警護」と揶揄(やゆ)されるなど、稲田氏は野党のターゲットになっている。

 稲田氏はなぜ「戦闘」を「武力衝突」と言い換えたのか。日報は読んでいるのか。現場の幹部自衛官からきちんと報告を受けているのか。緊迫する南スーダンの現状をどの程度認識しているのか。稲田氏本人に話を聞いた。

――実態として、多くの人が亡くなり、モノが破壊されています。本当に「戦闘」との認識ではないのですか?

「"戦闘行為"というのは、"国際的な武力紛争の一環として行われる国または国に準ずる組織間において、人を殺し、建物を破壊する行為"と定義があります。その意味で"戦闘"はないと国会では申し上げたんです」

――ジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)氏が情報公開請求をしたことで、日報の記述が明らかになりました。

「日報が書かれた7月の段階では私は大臣ではなく、その段階では日報は読んでいません。いまは毎日、現地からの報告、国連からの報告、現地の報道すべてをあげさせています。自衛隊員が本当に安全を確保しつつ、国連から尊敬され、現地の人たちに喜ばれる活動をしているかどうかをしっかり見ているのです」

――憲法9条とのつじつまを合わせるために、理屈をこじつけていると批判があがっています。

「国会の議事録を全部読んでください。私は法律家(弁護士)だからこそ、憲法をしっかり守らなくてはいけないと考えています。憲法があるからこそ国会で議論する言葉の重要性を認識しているのです。
 南スーダン前副大統領のマシャールさんは国外逃亡して、戻ってこられない状況です。その意味で"武力衝突"は収束しています。PKO法上の停戦合意というのは、南スーダン政府とその対立勢力との紛争が収束したということで、PKO法第3条1号のロ(武力紛争の終了時点)ですよね。
 なので、その問題と反政府側の停戦合意というものは分けて考えなければいけません。いま現在も、予断を許さない状況ではありますけれども、自衛隊が毎日、安全を確保しつつ道路工事をやっているんですよ。そういう状況は、毎日確認しています」

 稲田氏が法律に精通していることは確かなようだが、いま求められているのは、それをいかに説得力を持って語るかということだろう。国民の不信感は、払拭されていない。

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「日本は南スーダン政府軍と友好関係にあります。しかし、その政府軍が民間人への戦争行為をしているという現実があります」(布施氏)

PHOTO:AP/アフロ 船元康子



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