金正男の遺体から消えた「虎と竜の入れ墨」のナゾ

金正男は生きている?
暗殺されたのは影武者?
金正男の遺体から消えた「虎と竜の入れ墨」のナゾ 画像1
’13年の画像。入れ墨の彫られた腹や二の腕を、下の写真と比較してほしい
 カメラに向かいポーズをとる半裸の男たち。中央にいる男性は胸から腹にかけ黒々とした入れ墨を彫り、鋭い視線を投げかけている。2月13日にマレーシアの空港で毒殺されたとみられる、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長(34)の兄、正男(ジョンナム)氏(45)だ。正男氏をよく知る人物が明かす。
「写真が撮られたのは4年ほど前です。場所はシンガポールの中心部にある高級ホテル『マリーナベイ・サンズ』。最上階にあった『クーデター』というバーで、友人たちと飲んでいる時に撮影したそうです。正男氏は酒が入ると気が大きくなり、黒人のセキュリティにからむなどトラブルを起こすことで有名でした。よく服を脱いで、背中に彫られた虎の入れ墨を『スゴイだろ』と自慢していましたね。腹にも竜が彫られていましたが、虎のほうがお気に入りだったようです」
 正男氏が身体の前後に彫っていたという、虎と竜の入れ墨――。ここで毒殺事件に目を転じると、一つの疑問が浮かぶ。マレーシアの新聞が掲載した、正男氏が亡くなる直前の監視カメラ画像を見てもらいたい(写真下)。ぐったりとイスにもたれかかり、意識を失ったように見える正男氏。だが、Tシャツからはみ出た腹には入れ墨が……ない。
 北朝鮮情勢に詳しい、大阪市立大学大学院の朴一(パクイル)教授が語る。
「仮説として、殺されたのは正男氏の影武者の可能性があります。ここまでの入れ墨が、簡単に消えるとは考えにくいですから。それに無警戒ぶりも不自然。正男氏は正恩氏が権力を握ってから、常に周囲を警戒していました。マレーシアで行きつけの『高麗食堂』では、入り口にボディガードを二人立たせ、別の人間に出てきた料理の毒見までさせていたほどです。常連の店でさえ注意を怠らない正男氏が、空港で無防備に一人でいるのはおかしい。自分が死んだことを既成事実化することで、正恩氏の追及から逃れようとしているのかもしれません」
 マレーシアには息子のハンソル氏(21)が入国し、遺体の身元を確認、DNA鑑定がされるのでは、と見られている。
「鑑定の結果も信用はできません。マレーシア当局は中国の意図をくみ、嘘の発表をする可能性がある。ミサイル発射や核実験を強行しコントロール不可能な正恩氏を、中国は見限ろうとしています。今後、北朝鮮に親中政権を作る際のリーダーにしようと、秘密裡に正男氏を保護しているのかもしれないんです。正男氏は、国際政治の重要なカードとみなされています。一朝一夕には、真相は明らかにならないでしょう」(朴教授)
 〝金正男の死〟とともに消えた入れ墨。事件の背後には、各国のどす黒い思惑が渦巻いている。
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マレーシアの「NEW STRAITS TIMES」紙が報じた死の直前の正男氏の姿
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正恩氏から命を狙われているというハンソル氏。昨年9月には英国オックスフォード大学大学院に進学予定だったが、身の危険から断念した
PHOTO:Yonhap News New Straits Times/REX FEATURES/アフロ
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