高市早苗政調会長 原発夫婦と30人の原発仲間たち

「原発事故で死者は出ていない」
合い言葉は「再稼働」
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高市早苗氏。2月26日の懇話会で「エネルギーコストが高ければ企業が日本から逃げる」とも発言
Photo:鬼怒川 毅
 鳴りをひそめていた「原発族」が、完全復活した。
 3月4日には資源・エネルギー戦略調査会の小委員会が開かれ、核燃料の最終処分や高速増殖炉「もんじゅ」について議論が交わされた。翌5日には同調査会とエネルギー基本計画各部会の合同会議が開催された。
「週に2度の会議というのはかなり多い。原発族議員が公然と圧力をかけています。彼らは1基でも再稼働させれば、あとは順次つながっていくと思っています。安倍自民は、4月の消費増税に電力料金の値上げが重なって景気が冷え込み、支持率が低下することをおそれている。その前に、〝駆け込み再稼働〟を目指した動きです」(自民党閣僚経験者)
 自民党内で再稼働推進の中心となっているのが高市早苗政調会長(53)と山本拓代議士(61)の「原発夫婦」だ。'03年の総選挙で落選した高市氏が山本氏に電話で励まされ、「親切な人」と感じたのが馴れ初め。「高市、山本夫妻は原発推進で一心同体」(経産省キャリア)と言われる。
 高市氏は、昨年6月に「原発事故によって死者が出ているわけではない」と発言して顰蹙を買った積極的推進派。2月26日に、福岡県で開かれた「九州『正論』懇話会」では「もんじゅ」の活用について前向きな発言をし、さらに、
「仮に……36基を動かしたとしたら原発で賄える電力は全体の24.9%です。残りの75.1%をどのように確保するかを示さなければなりません」
 と、「原発再稼働は大前提」「新設増設も」と言わんばかりだ。
 高市氏に強い影響を与えているのが、夫の山本氏である。
「細田(健一・49)、滝波(宏文・42)と並ぶ自民党『原発3羽ガラス』の一人である山本はエネルギー基本計画についての会議では原発推進の立場でガンガン発言しています。
 祖父は福井県議、父は福井県議会議長、鯖江市長を務めており、父祖の代から原発による地域振興の旗を振ってきた。本人も福井県議出身で、地元企業との結びつきは強い。その山本が高市にいろいろと教示しています。
 高市が国民にむけて世論形成を進め、党内では山本が原発再稼働の先導役と、夫婦で役割分担をしています」(前出・自民党閣僚経験者)
推進派で埋め尽くされる
 下の地図をご覧いただきたい。原発が立地する都道府県のうち6県の選出議員が、原発にどのようなスタンスをとっているかを示したものだ。

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図中の議員の立場表記は、本誌アンケート、過去の発言、各社報道をもとにした

 立地県の54人の議員のうち山本氏を含め31人の議員が再稼働推進派。その大半が地元の原発関連産業やゼネコンから資金協力、選挙協力を受けている。地図中の色が濃い地域ほど再稼働に積極的な議員を選出しているが、原発周辺が「真っ黒」になっているのが一目瞭然だ。特に茨城、福井は推進派が集中する。
 東海、東海第二原発が立地する茨城県は、4区選出の梶山弘志氏(58)が、自民党のなかでも原発推進派が集まる電力安定供給推進議員連盟(議連)の副幹事長を務める。2区の額賀福志郎氏(70)も同議連の顧問だ。
 5区選出の大畠章宏氏(66)は民主党ながら日立の原発プラント設計部出身の推進派である。'13年の東海村長選では、原発推進派候補のため、日立票の取りまとめをしたと言われる。
 福井県は前出の山本氏に加え、原発関連企業から5年間で400万円以上の献金を集める高木毅氏(58)、そして「原発3羽ガラス」の滝波氏が選出されている。
 財務省出身の滝波氏は参院議員1期目。'13年夏の参院選出陣式には、関西電力、日本原電、日本原子力研究開発機構など原発関係者が多数集まった。
「滝波は関係企業から、原発推進の陳情レクチャーを受けています。『原発を抜きにしてアベノミクスは語れませんよ』と周囲の議員にふれまわっている」(前出・閣僚経験者)
 昨年11月の原子力問題特別委員会では、原子力規制委の安全審査について、
「何十万年前に活断層が動いたという論争で時間を浪費するやり方は問題だ」
 と、嚙みついた。
 宮城県では2区選出の秋葉賢也氏(51)が、'12年衆院選で「原発を否定して日本再生はあり得ない」と話した。
 新潟県は、柏崎刈羽原発が立地する2区選出の前出・細田氏が経産省出身で、「原発3羽ガラス」の一員。
「細田は熱心に地元に戻って原発の効率の良さを強調しています。最後には必ず『原発を再稼働させることができれば、電気料金を値上げせずに済みます』と言うんです」(官邸スタッフ)
 静岡県では、塩谷立(しおのやりゅう)氏(64)が’11年の浜岡原発の停止について「地元軽視」と発言。「国民生活の維持発展と国際競争力強化のための再稼働は必要」との立場をとっている。
「核のゴミ」を押しつける
 伊方原発を抱える愛媛県は推進派と脱原発派のコントラストが激しい。
 参院愛媛選挙区選出の山本順三氏(59)は議連幹事を務め、脱原発には「安易に耳を傾けられない」と言う。3区の白石徹氏(57)は地元原発関連企業を心配する。
「(原発停止に伴う)電気料金値上げは中小企業には切実。産業が息もできなくなれば取り返しがつかない」(白石氏)
 一方、1区選出の塩崎恭久氏(63)、2区選出の村上誠一郎氏(61)は自民党内では珍しい慎重派だ。
 3月4日の資源・エネルギー戦略調査会の小委員会冒頭で会長の山本氏は推進派議員を前にこう話した。
「各々の先生方、放射性廃棄物処分場が自分の庭にできるのはどなたも嫌だと思いますが、これを誰かに引き受けてもらわなければいけない」
 もう再稼働は当然ということらしい。そんなに原発を動かしたいなら、夫婦で処分場の隣に住んだらどうか。

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山本拓氏。地下原発政策推進議連の事務局長を務めており、'11年6月には「地下原発なら福島の事故は起こらなかった」と発言した
Photo:鬼怒川 毅
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