不定期連載 国民の二人に一人がかかる病気 がんにどう向き合えばいいのか 原千晶(女優)

子宮がん

「患者会を設立、600人近い女性の話を聞いてきました」
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はら・ちあき ’74年生まれ。『ひるおび!』(TBS系)火曜レギュラー。’13年に『原千晶39歳 がんと私、明日の私、キレイな私。』(光文社)を上梓
 女優業だけでなく、『ひるおび!』(TBS系)のコメンテーターとしても活躍する原千晶(42)は、’10年11月に自身のブログに寄せられたコメントを読んだ時のことをこう述懐した。
「結婚したこと、そして子宮がんで闘病していたことをテレビで公表しました。その放送を見て、当時の私と同年代の女性たちが『私も乳がんです』『同じ子宮がんです』とブログにコメントをくれたんです。一つ一つ、すべて読みました。本当に驚いたのと同時に、少しホッとしました。(30代で)がんになったのは私だけじゃないんだ、と」
 初めてがんと診断されたのは’05年。子宮頸がんだった。採取した組織の病理検査で悪性とわかり、医師からは子宮の全摘を勧められた。が、まだ30歳と若かった原は「温存」を選択した。
「いまなら、当時の私に『子宮は取るべきよ!』と言います。がんを根こそぎ取れる絶好のチャンスだったのに……」
 そして’09年の年末。いよいよあと2ヵ月で完治の目安である5年になるという矢先に再発した。今度は子宮体がんと診断され、リンパ節への転移も発覚。子宮全摘手術と抗がん剤治療を受けた。
 実はこの時、原は後に夫となる男性との結婚を視野に入れていた。子どもが産めなくなると意を決して告げると、彼は「元気になることを優先してほしい。子どもを産めないのが君の運命なら、僕もその運命で構わない」と言ってくれた。
「彼は一人で実家に戻り、私の病気のことを打ち明けてくれました。義母は『同じ女性として胸が痛む』と涙を流し、義父は『一番辛いのは彼女だ。彼女と生きると決めたなら傷つけたり、裏切ったりしたら俺の息子じゃない』と言ってくれたそうです。それを聞いて、私はワンワンと声をあげて泣きました」
 原は’11年に婦人科系のがん患者会『よつばの会』を立ち上げている。
「ブログにコメントをくれた人たちと顔を見て話したくてオフ会のような感覚で始めました。10人前後で集まって自分の症状などを語ります。そこから仲良くなって関係を継続する人もいれば、一回吐き出してスッキリする人も。いままで600人近い女性の話を聞いてきました」
 この会を通して婦人科系のがんが若年層に増加していること、そして原と同じように、病気を周囲に打ち明けられず孤独を感じている人が多いことを知った。
「がんは、働き盛り、子育て盛りである30〜50代に多くみられます。周りはみんな元気なのに自分だけが満足に働けないと引け目を感じ、なかには家族にすら話せない人までいます。そうなると本当に孤独になる。がんであることを堂々と人に言えるようになるには、時間や気持ちの整理が必要ですが、一人で悩まないためにも、『同じ人がいる』という安心感はとても重要だと思います」
 今後も、がん患者のさまざまな問題について向き合っていきたいと話す。
「がんには遺伝的な関係もある、という研究も進んでいます。遺伝子の型を知ることで自分に最適な治療法が見つけられたりするそうです。そんな情報やがん患者の復職問題なども取り上げていきたい。それが次の目標ですね」
PHOTO:結束武郎
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